「コバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった!」その料理、衛生的に大丈夫?専門家に聞いた

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-08-12 07:08
「コバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった!」その料理、衛生的に大丈夫?専門家に聞いた

楽しい食事中、ふと“招かれざる客”を見つけてしまい、げんなりした経験はないだろうか。いつの間にか現れ、食卓を静かに飛び回る「コバエ」である。蚊のように羽音がうるさくないだけマシだし、ただ飛んでいるだけなら許容範囲かもしれないが、もしそのまま料理に止まってしまったら…?

【写真を見る】「コバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった!」その料理、衛生的に大丈夫?専門家に聞いた

たとえば、お盆に帰省したとしよう。家族との久々の再会を喜び、食卓を囲めば「やっぱり実家の味が一番だなぁ」と箸が進む、進む。

しかし次の瞬間、どこからか飛んできたコバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった!

どうする…コバエが止まってしまった部分だけ、あるいは、そのお皿の料理を丸ごと捨てるべきか。ただ、せっかくの家族の手料理だし、捨てるのは忍びない。何も見なかったフリをし、黙って食べ続けることもできるが…それ以前に、コバエによる健康被害はないのか?

そこで今回は、一般財団法人日本環境衛生センターの環境生物・住環境部で部長を務める橋本知幸さんに、コバエが料理に及ぼしうる影響を聞いた。

──そもそも、コバエというのは小さいハエの総称ですよね?具体的には、どのようなコバエが食卓に寄ってきやすいのか教えてください。

「一番多いのは、ノミバエとショウジョウバエです。ノミバエは料理全般、特に動物が腐ったものに好んでやってきます。すたすた歩くのが得意で、料理やテーブルや食器の表面を移動していれば、ノミバエの可能性が高いでしょう。

一方でショウジョウバエは、お酒や発酵したものに誘因されやすいです。ふわふわ飛んで、やんわり料理に止まって、あまり歩きません」

──かつて自分が目撃したコバエは、しつこく料理の上をうろちょろしていたので、ノミバエだったのだと思います。やはり少なからず、影響はあるのでしょうか。

「コバエは汚い排水溝やトイレなどに止まっているので、足や口についたバクテリア(細菌)を料理に運んでくる可能性は、完全に否定されるものではないですね。

ただ、料理に数秒止まったくらいで、健康被害が出るようなレベルまでバクテリアが移ることは考えにくいと思います。私だったらコバエが料理に止まっても、払ってよけて食べてしまうかもしれません」

──実は自分も、コバエが止まった料理を「ええい、ままよ」と口にしたことがあります。捨てることへの罪悪感と、もったいなさが勝ったといいますか…。幸い、それでお腹を壊すことはありませんでした。

「食べてから数時間や1日経っても問題なければ、コバエの影響はなかったということになるでしょう。結果論になってしまうのですが…」

──仮にコバエではなく、大型のハエだとリスクは変わってきますか?

「イエバエやクロバエといった大型のハエは、赤痢やチフス、O-157を媒介する可能性があると昔からいわれています。コバエより口吻が大きい分、持っているバクテリアの数も違うとは思うのですが、明らかにハエが原因で食中毒を発症したという文献は存じ上げません。

いずれにしてもコバエ同様、料理に止まった瞬間に細菌が移行し、そのまま汚染させてしまうことはありうる話です。

あとは体長が大きければ、それだけで不快感の要因になりますよね」

そもそもコバエの発生源は? 料理を守るためにできること

──こうしたコバエから料理を守るためには、どうすれば…?

「そもそもコバエは、テーブルに料理を置いてすぐに寄ってくるわけではありません。部屋にもともと潜んでいたものが、たまたま料理が置かれて誘因された…と考えるのが自然です。

ノミバエは、浄化槽や排水溝のぬめりから発生するほか、家具の後ろなどで知らないうちに死んだゴキブリや、屋根裏で駆除されたネズミの死骸に産卵することもあります。

ショウジョウバエは、ビールやワインの空き缶・空き瓶を洗わずに放置してしまうと、そこから発生することがあります。温度が高い季節は、三角コーナーにキャベツやレタスの葉っぱを捨てると1~2日で腐り始めるため、そこにも寄ってきて、上をふわふわ飛んでいますね」

──つまり食卓におけるコバエ対策としては、コバエが好みそうな料理を避けるというより、コバエの発生源そのものを断つことだと…。

「なかなか毎日掃除するわけにはいかないと思いますが、まずは水回りのぬめりに注意したり、三角コーナーにゴミを溜めないようにしたり…といったところでしょうか。

もちろん、食品はなるべく食べる直前に調理し、なおかつ長いことテーブルに置き続けないようにすることも肝心だと思います」

たとえ料理への被害は考えにくいとしても、「さっきコバエが止まっちゃったけど大丈夫かな…」と食事中に悩むのはごめんこうむりたいところだ。

夏場は温度が高いため、コバエの卵が短期間で発育してしまうほか、コバエが活発に飛翔するのにも適した季節なのだと橋本さんはいう。

筆者のように食卓でコバエを見かけてしまったという人は一度、つい掃除を怠ってしまっている場所はないか、家の中を点検してみてはどうだろうか。それは恐らく“虫の知らせ”だから。

  1. 【2024ミス・ジャパン】 慶大2年・都島涼香さん アナウンサー目指したい 「現在はテレビ局でアルバイト中」
  2. 「追ってきそうで怖い」イタリアで“リアル鉄腕アトム”開発中
  3. 【独自】元衆院議員・椎木保容疑者(元日本維新の会)を不同意性交の疑いで逮捕 中学1年の女子生徒に性的暴行か 容疑を否認 警視庁
  4. 「夏野菜でさえ夏バテ」暑さで葉もの野菜高騰!韓国ではキムチに欠かせない「備蓄白菜」も放出する事態に…
  5. “次の総理・総裁”小泉氏1位に…JNN世論調査 2位は石破氏、3位の高市氏は「(経済成長)世界のてっぺんに」主張【Nスタ解説】
  6. イスラエル軍がシリア中部複数の地域に空爆 16人死亡36人けが 化学兵器製造の研究所が標的になったか
  7. コメ需要増、新米の“大量買い”は注意!密閉・小分けし冷蔵庫で保存がおすすめ シンク下はNG!【Nスタ解説】
  8. ロシアのドローンがラトビアで墜落 ルーマニアで領空侵犯 NATO侵犯相次ぐ
  9. 「最悪な状況」次はほうれん草や白菜が高騰…暑さ・台風が影響 世界で“記録的不作”オリーブ、オレンジ、カカオも【Nスタ解説】
  10. 天皇皇后両陛下と愛子さま 一家揃って「東京ステーションギャラリー」初訪問 ベルギーの著名芸術家の作品を鑑賞
  11. 「マブチモーター事件」の守田克実死刑囚(73)が東京拘置所で死亡
  12. 「20世紀」のレトロな雰囲気で「二十世紀梨」を味わう!「梨グルメ」フェアが人気 梨入りナポリタンも!?
×