【パリ五輪陸上競技】女子やり投の北口榛花が世界陸上に続き金メダリストに 室伏広治と並ぶ偉業で“北口ブランド”確立への第一歩

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-08-12 16:30
【パリ五輪陸上競技】女子やり投の北口榛花が世界陸上に続き金メダリストに 室伏広治と並ぶ偉業で“北口ブランド”確立への第一歩

パリ五輪陸上競技10日目の8月10日、女子やり投の北口榛花(26、JAL)が65m80で、2位に2m近い差をつけて快勝した。昨年の世界陸上ブダペストに続き金メダル獲得という偉業を達成した。
世界陸上と五輪、世界一を決める両大会で金メダルを獲得した日本選手は過去、男子ハンマー投の室伏広治ただひとりしかいない。室伏は金メダルを獲得した04年アテネ五輪では29歳、11年世界陸上テグでは36歳だった。北口は今年3月に26歳となった。若くして日本陸上界のレジェンドの仲間入りを果たしたが、「(今の気持ちは)うれしいだけでは足りない。言葉にできません」と喜びを表現した。

2人とも最初のオリンピックで入賞漏れ

2人の共通点で象徴的なのは、最初のオリンピックで決勝に進出しながら8位入賞を逃した点だ。

室伏は00年シドニー五輪で予選を78m49と全体で3番目の記録で通過。メダルも期待されたが、決勝では76m60と記録を下げて9位。あと1人という順位で、後半3回の試技が許される8位以内に進めなかった。サークル脇の待機場所でうなだれ、頭を自身の拳に何度もぶつけて悔しがるシーンが印象的だった。

北口も21年東京五輪で予選を62m06と全体6番目の記録で通過。入賞は可能と思われたが、左脇腹を痛めた影響で決勝は55m42で12位に終わった。

室伏は世界陸上エドモントン大会で銀メダル、北口も世界陸上オレゴン大会で銅メダルと、五輪翌年の世界陸上で自身初メダルを獲得。1年後に五輪の悪夢を払拭したことも共通点だ。

北口は22年にはダイヤモンドリーグ・ファイナルに優勝。室伏も10年のIAAFハンマースローチャレンジ(現在のダイヤモンドリーグに相当)の年間チャンピオンとなった。

北口は23年に67m38でシーズン世界リスト1位を占めた。室伏も01年に83m47、03年に84m86、10年に80m99とシーズン世界1位を占めている。

室伏のような「ブランド」になることが目標

室伏が03年に84m86の日本記録を投げたのはチェコの首都プラハだった。北口が現在練習しているのは、コーチのD.セケラック氏がチームを持つチェコのドマジュリツェだ。金メダリスト2人には、そんなつながりもある。

違いは世界リスト1位の回数からもわかるように、世界トップレベルで活躍している期間の長さだ。26歳の北口が今後活躍し続ければ同じように長くなるが、現時点では大きな違いである。

もう1つの違いは自己記録の世界歴代順位。室伏の84m86は世界歴代4位だが、北口の67m38は世界歴代21位である。北口が金メダル獲得後に次の目標として話した70mを投げれば、世界歴代6位以内になる。

北口は室伏について、今年のゴールデングランプリ前の取材で次のように話していた。

「室伏さんは海外でも(投てき関係者間で)知られた存在なんです。特にチェコでは室伏さんが日本記録を投げていることもあって、コーチのデイビッドをはじめ、その世代の人たちが知っているんです。室伏さんはある意味、ブランドみたいなものが(世界の投てき関係者の間で)でき上がっています。それを、私もやりたいな、と思います」

次は室伏のように、世界歴代上位に入る記録を投げることが目標だ。パリ五輪で金メダル獲得直後のインタビューで「70mは来年の世界陸上東京大会ですね」と質問された北口は、「もっと早く投げたい」と即答した。それを実現したとき、“北口ブランド”の確立へまた一歩前進する。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

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