お盆休みの東北を直撃した台風5号。各地に大雨をもたらし、河川の増水や冠水被害が相次いでいます。13日午前に発生した台風7号は関東や東海に近づく恐れもあり、お盆休み後半での影響も懸念されます。
■東北横断「台風5号」記録的な大雨
12日、東北を横断した台風5号。夜になっても…
記者
「午後9時すぎの弘前市です。夜になって雨脚が強まってきました」
午後8時ごろから雨が降り出した青森県弘前市の繁華街。車のヘッドライトが打ち付ける雨粒を照らしています。
台風が東北の太平洋側に上陸するのは統計開始以来3例目。各地に記録的な大雨をもたらしました。
記者
「こちら台風5号の中心が上陸したとみられる大船渡市です。顔に打ち付ける雨が非常に痛いです。そしてですね、波を見てみますと、非常に強くなっているのが分かります」
台風5号は午前8時半ごろ、岩手県大船渡市付近に上陸しました。
台風がもたらした大雨で、久慈市では長内川が増水。濁流がいまにも道路にあふれそうな状況に…
記者
「こちらの道路では冠水していて、現在、通行止めとなっています」
激しい雨に見舞われた久慈市では、一時、2つの地域に緊急安全確保が発令。下戸鎖では、24時間雨量が368.5ミリと観測史上最大となり、平年の8月1か月分の降水量の2倍を超えました。
記者
「こちら流れる川、小本川がですね、氾濫危険水位に達しており、向こうに見える重機4台が水に浸っていますね」
岩泉町では、小本川が氾濫危険水位を超え、付近にある建物の1階部分が浸水しました。
日本三大鍾乳洞の一つに数えられる龍泉洞では…
洞内の通路が冠水。本来であればかき入れ時にもかかわらず、施設を閉鎖せざるを得ない事態となりました。
付近を流れる清水川には、龍泉洞の洞窟の入口から大量の水が流れ込み…
道路が崩落するほどの濁流となりました。
町内の避難所では…
家族で避難してきた人
「自宅が土砂災害の危険区域だったため、早めに避難しようと思って来ました」
「あんまりひどいものが来ると思わずに簡単に考えていました。(Q.雨は少ない地域?)そうです。それで油断していました」
久しぶりに帰省したという女性は…
東京から岩手に帰省
「龍泉洞に入るのを楽しみに来たんですけど、ちょっと入れなさそうですね…」
12日朝、岩手県陸前高田市では、台風に備えるための準備が進められていました。
高田松原商業開発協同組合 菅原香事務局長
「従業員の安全も確保しまして、3時の開始ということで」
こちらの商業施設では営業の開始時間を遅らせ午後3時に。安全に配慮するため異例の措置をとりました。
“自転車並みに遅いスピード”で東北地方を横断する台風5号。秋田県や青森県などでは、14日まで大雨が続くおそれがあり、土砂災害など引き続き警戒が必要です。
交通への影響も出ています。空の便では12日、日本航空と全日空、あわせて95便が欠航に。8400人に影響が出ました。
■熱帯低気圧は台風7号に お盆休みの週末に関東を直撃か
森田正光 気象予報士:
12日午後11時時点、日本の南に熱帯低気圧が2つあります。南の海上にある熱帯低気圧は13日の午前5時過ぎには台風7号になりました。
7号のこのあとの進路を見ると、16日(金)にかけて伊豆諸島から東日本、さらに北日本は大きな影響を受けそうです。そして台風を強める海水温が今、日本の南の海上30度以上というとても高い海域が広がっています。
ということで、7号は発達しながらやってくるので危険な台風です。
小川彩佳キャスター:
かなり大きな影響が関東中心に出るということになるのでしょうか。
森田 気象予報士:
8年前の2016年に、実は台風9号というのがありました。今回の7号のコース、さらに強さも類似しています。このとき千葉県で最大瞬間風速45.5mの風を観測するなど、結構大きな被害が出ました。
ですから、この台風と今回の7号は同じぐらいの規模になりそうです。
15日正午からの天気図を見ていきますと、台風の本体の雨雲が静岡周辺にかかり、関東を直撃しそうです。当初の予想よりも西の方にずれてきています。ですから、今考えているよりも大きな被害をもたらす可能性も出てきました。
ちなみに暴風域に入る確率は、千葉県などでは40%以上、東京でも20~30%あります。
今週末は各方面とも台風情報に気をつけてください。
小川キャスター:
お盆休みの方は重なりますので、こまめに情報を確認していただいて、かなり柔軟な予定を立てていただく方がよさそうです。