先月、中国の領海で違法操業していたとして台湾の漁船が拿捕された問題で、中国当局はきょう、船員4人の身柄を台湾に戻したと発表しました。
先月2日、5人が乗船した台湾籍の漁船が台湾が実効支配する金門島に近い中国の領海で違法操業していたとして、中国海警局に拿捕されました。
中国海警局の発表によりますと、乗組員のうち4人については違法操業への関与が軽微だとして、刑事責任を問わず、きょう、台湾に身柄を戻したということです。
船長については引き続き取り調べを行うとしています。
中国政府で台湾政策を担当する台湾事務弁公室は「漁業資源の保護と海域の正常な秩序を守ることを重視する」としています。
台湾が実効支配する金門島周辺では今年2月、越境操業の疑いで台湾当局が追跡していた中国漁船が転覆し、2人が死亡。
その後、中国海警局が金門島付近でのパトロールを常態化するなど、緊張が高まっていましたが、台湾メディアによりますと、先月行われた協議で台湾側が慰謝料を支払うことに合意したということで、中国側が態度を軟化させた可能性があります。