裁判官や検察官、弁護士の法曹3者がそれぞれの仕事の魅力を高校生たちに紹介するイベントが最高裁で開かれました。
「法曹という仕事」と題するこのイベントは、裁判官や検察官、弁護士の法曹3者の仕事内容について高校生たちに関心を持ってもらおうと毎年開かれているものです。
今回は台風7号の影響で、急遽リモートでの開催となりましたが、およそ230人が参加しました。
冒頭の基調講演では、日弁連の渕上玲子会長らが参加者にビデオメッセージを寄せ、最高検の鈴木眞理子公判部長は「法曹3者のどの立場でも、紛争に巻き込まれた人や犯罪の被害に遭った人、罪を犯した人からじっくりと話を聞き、問題を解決するためにできうる限りの努力をする仕事だ」と語りました。
その後、若手の弁護士や検察官、裁判官が昔話を題材にした法廷劇を通じて裁判の仕組みを解説し、それぞれの仕事の魅力を紹介しました。
宮野絢子弁護士は、担当した刑事事件で無罪判決を得たと明かし、「判決後、被告人と握手をした時に、この仕事ができて良かったと感じた。人の人生を左右する仕事なので、誇りを持っている」と語りました。
また、法務省刑事局の駒井彩検事は、「検察官は真実に謙虚でなければならない」と強調した上で、被疑者の取り調べについて「真実を聞き出すのは難しい。その人の立場に立って、どんな気持ちなのか、本当のことを聞き出すためにどうすべきか。日々考えている」と話しました。
また、検察官のやりがいについては、「被害者の力になることができる。真相解明を通じて、なぜ被害に遭ったのか知らせることができるし、適切な判決によって、被害者が立ち直るきっかけになる」と意義を語りました。