WOODコレクション2024「JAPAN ReWOOD」レポート 国産木材の価値と魅力をワークショップで楽しく学ぶ

2024-08-18 10:00

国産木材の価値再発見と普及促進を目的とした展示商談会、WOODコレクション2024「JAPAN ReWOOD(ジャパン・リウッド)」が、8月17日・18日の2日間にわたって東京・有明の東京ビッグサイトで開催。28の都道県から120以上の企業・団体が参加して商談ブースが出展されたほか、林業・木材産業の仕事を肌で感じられるワークショップなどが行われました。ここでは1日目の午前に開催された開幕セレモニーの内容とともに実際の会場の様子をお伝えします。

林業・木材産業に関わる全国120以上の団体・企業が東京に集結

国土の3分の2を森林地帯が占める日本。建材や生活用具の素材などに古来より育まれてきた木の文化は、これから先の時代にも守り継ぎたい我が国の伝統のひとつです。

そんな中、2022年に初開催された「JAPAN ReWOOD」は今年で3回目を迎えます。国産木材の利用促進に向けた企業間マッチングを目的としたイベントでありながら、一般来場者も楽しい体験コンテンツが充実しているところが本展の魅力。「モクモク ワクワク のぞいてみよう 木と森のしごと」をテーマにした今回は、林業や木材産業の仕事を学べるワークショップが多数用意されました。

前日に関東一帯を襲った台風7号の影響により、林業技術者によるパフォーマンス、林業用重機の展示といった屋外展示が残念ながら中止に。そのほか一部のプログラムが変更となりましたが、屋内の展示会場は林業や木材の魅力を伝えようという出展者の熱気でムンムン。エントランスには、木材の生産地である川上の産業から消費地へつながる川下の産業までの流れをつかむことができる展示があり、その先には「木を育むしごと」「木を伐るしごと」「木を挽くしごと」「木を組むしごと」「木で創るしごと」の5ゾーンで構成される体験エリアが。

そのうち「木を育むしごと」ゾーンでは、種から苗木へ、そして森林が生まれるまでを説明した展示を見学し、とっても小さなスギとヒノキの芽に驚き。一方で「木を伐るしごと」のゾーンでは丸太から動物の形などを掘り出すチェンソーアートを鑑賞し、超絶技巧で繰り出される数々の造形に感動を覚えました。

また、「木を組むしごと」ゾーンでは、「くむんだー」という名の木製ジャングルジムの組み立てに子どもたちがチャレンジ。レクチャーをする大人の指導を受けながら、真剣な眼差しで巨大遊具をイチから組み立てる体験は、夏休みの良き思い出になったはず。そして「木で創るしごと」ゾーンには、2015年に始まった「ウッドデザイン賞」の歴代受賞作が展示され、80万円以上の木製スポーツ自転車や樹木から生まれたファブリックなど、「こんなものまで木で作れちゃうの?」と思わせる品々を実物で鑑賞しました。

それ以外にも多彩なワークショップが行われていたほか、商談ブースでは地産の木材を活用して企画・製品化までを行う6次産業化の例などが多数紹介され、ビジネス目的ではない来場者であっても木材の多様な可能性を感じられる場となっていました。

ガチャピン・ムックも参加して開幕を告げる鏡開き

1日目の午前に特設ステージで行われた開幕セレモニーには、林野庁の青山豊久長官、全国木材組合連合会の本郷浩二副会長、全国森林組合連合会の富山洋代表専務理事、東京臨海副都心まちづくり協議会の中林久則事務局長が来賓として登壇したほか、主催者の東京都から産業労働局の田中慎一局長が出席。

はじめに主催者を代表して挨拶に立った東京都の田中氏は、当初出席予定でしたが諸事情で欠席となった小池百合子知事のメッセージを代読。開幕に対する喜びに加え、今年初の試みである森林産業の仕事に関する体験型展示などをPRした上で、地球温暖化や国土強靭化における森林の重要性にも触れ、「森林の好循環が支える治山治水は社会発展の土台であり、私たちが直面するさまざまな課題の解決に大きく貢献します。国内外の木材の需要が拡大傾向にあり、国内の森林資源が充実している今こそ全国が連携して国産木材の利用拡大を図るチャンスです。大消費地である東京から国産木材の需要を喚起し、地域経済の活性化につなげたいと思います」と意気込みを語りました。

一方、来賓を代表して挨拶に立った林野庁の青山氏は、本展の開幕に祝辞を述べた上で「日本の森林は大半が利用期を迎えており、切って使って植えて育てるという森林資源の循環利用を進めるとともに、地域の林業、木材産業を盛り上げて2050年のカーボンニュートラル達成に貢献することも重要であると考えています」とコメント。そして、多様な森林の整備、効率的な路網の形成、木材利用の拡大、担い手の育成確保といった林野庁の総合的な取り組みのほか、国産材の利用拡大に向けて同庁が長年力を入れる「木づかい運動」などが紹介し、「このイベントを通じて、皆様方の暮らしの中に木材利用が一層進みますことを祈念します」と述べました。

続いて行われた鏡開きには、スペシャルゲストとしてガチャピンとムックが登場。「森に関わる仕事をたくさんお勉強できる場所って聞いて、来るのをとても楽しみにしてたんだ(ガチャピン)」、「いろんなステージがあると伺いましたのでガチャピンと一緒に回って楽しみたいと思います~(ムック)」と述べた両名参加のもと、飛騨産材の木槌で樽を割り、2日間にわたる催しが盛大に幕を開けました。

その後も特設ステージでは、ガチャピン・ムックらによる親子向けステージのほか、人気芸人のもう中学生による木をテーマにしたオリジナルネタの披露、ギタリストの手島いさむをゲストに招いた国産材楽器による演奏会など多彩なプログラムを実施。各地のブース、体験プログラム、ステージイベントの3点で林業や木材産業について楽しく学べる空間が作られ、幅広い世代が日本の森林について理解を深められる機会になっていました。

【WOODコレクション2024「JAPAN ReWOOD(ジャパン・リウッド)」公式サイト】
https://www.rewood-collection.com/

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