猫は、学びの宝庫です。みなさんもきっと日々、実感していることでしょう。今回は、愛猫暮らしの中で培われる人生訓を3つ紹介します。ストレス社会を生き抜くためのささやかな知恵として、みなさんの人生にも取り入れてみてください。
1.つかず離れずの絶妙な距離感
現代人のストレスの大半は人間関係にある、と一般的に言われています。家族をはじめ、友人、会社、地域のコミュニティなど、あらゆる場面で人間関係はつきもの。近づき過ぎたり、逆に遠過ぎたり、他者との距離感を間違えると、大きなストレスとなって返ってきます。
他者との距離感に悩んでいたら、猫を参考にしてみるといいかもしれません。猫はペットとして暮らすようになってからも、どこかしら人間を達観しているようなところがあります。
つかず離れず、甘えるけれど媚びもせず。絶妙の距離感がモットーです。そしてイヤなことはイヤとはっきり行動で示します。
猫の「思想」の原点は、単独行動、つまり、「ひとり」にあります。ひとりで狩りして、獲物を食べ、好きな場所に移動して、眠る。イエネコになった現在も、リビアヤマネコ時代からの基本的な習性は変わりません。
猫が快・不快に忠実なのも、野生の現場では、自分のあらゆる判断がそのまま生死につながるからです。
同化せず、かと言って浮いたりもせず、自分の魅力を上手に引き立たせ、他者(人間)を手なずける。猫の「処世術」は、あまりにも自然過ぎて、肉球のひらで転がされていることにも人間は気づきません。この領域にまで達すれば、きっとみなさんも「人生の達人」です。
2.居心地の良さにこだわる
立ち止まって、ふと考えてみると、今、自分がいる場所、あるいは、やっていることが本当は好きじゃない、と思い至る瞬間があるかもしれません。
いったん自分の中の違和感に気づくと、いったい何が好きなのか、わからなくなってくるものです。
そんなときにヒントになるのが、猫の行動です。猫は、快適な場所を求めるため、季節や一日の時間帯に合わせて、こまめに移動します。
大事な基準は、快適かどうか。たとえば、ふかふかの猫ベッドを用意しても、気に入らなければそっぽを向きます。むしろ、そこらへんに転がった段ボールや紙袋を愛します。
その様子を見ていると、見た目や世評ではなく、猫にとっての実質、つまり、居心地の良さこそが何よりも重要なのだと気づかされます。
何が自分は好きなのか、わからなくなったら、自分の感覚にフィットするかどうかを基準に選ぶと、心から好きなものと出会えるかもしれません。たとえば、愛猫がみなさんを選んだのと同じように。
3.自分の意外な一面を知る
「超」がつくほどのものぐさで、「猫のお世話なんてできるかな…」と飼う前から、不安に駆られた飼い主さんもいることでしょう
いざいっしょに暮らしてみると、ごはんの用意から水の交換、トイレのケア、おもちゃ遊び、抜け毛の処理まで、一連のルーティンを見事にこなします。その証拠に、愛猫も幸せそのもの。飼い主さんも自分の意外な一面に驚くばかりです。
猫は、基本、人間の思い通りにはなりません。歩み寄るのは、いつも飼い主さんのほうです。ある種の精神修行とも言うべき、日々のお世話を通じて、辛抱強くなったり、清潔好きになったり、いろいろと興味が湧いたり、猫との素敵な化学反応が起こります。
自分の新たな一面を知ることは、世界が広がること。より良く生きるためには欠かせない作業です。これからも、愛猫に未知なる領域を「開発」されてみてください。
まとめ
素晴らしい思い出を残してくれる愛猫は、同時に、人生の師匠となって「ヒトはどう生きるべきか…」まで伝授してくれます。
今回は、参考として、3つの人生訓を紹介しました。飼い主さんの数ほど、愛猫指南の生きるヒントはあるはず。ありがたく頂戴しながら、日々、せっせとお世話に励みましょう。
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