連日最高気温が30℃を超えていた8月の東京。
暑さにバテていたのは人間だけではなく、『蚊』も…?
「9月から活発化するので注意が必要」という蚊について、30年以上蚊を研究している害虫防除技術研究所の白井良和所長に聞きます。
【写真を見る】「家に入るときにフェイント」が有効!?今年の『蚊』は9月から?活発化する蚊に刺されない方法【ひるおび】
蚊が活発に活動するのは25℃~30℃
白井氏によると、蚊の活動は気温によって変わります。
20℃~:活動開始
25℃~30℃:活発に活動
30℃超:動きが鈍る
東京の7月と8月の最高気温を振り返ると、30℃以下が8日間のみで、30℃を超えた日は54日間にのぼりました。
気温が高すぎてあまり活発化しなかった蚊ですが、9月に入ると…
▼最高気温が30℃を下回る日が増える
▼秋雨などで水溜りが増える
などで、必然的に蚊が増えてくる流れになるというのです。
恵俊彰:
予想だと、まだ今週は暑いみたいですが。
害虫防除技術研究所所長 白井良和氏:
そうですね。けれどもやはり水溜りが増えて幼虫が増えるということは成虫も増えますので、涼しくなったときに人を吸血する機会が増えてくると考えられます。
今年の“増殖期”いつまで?
≪9月に増える蚊≫
▼ヒトスジシマカ(ヤブカ類)
・昼間に活動
・やぶや草むらなどに生息
▼アカイエカ(イエカ類)
・主に夜間に活動
・屋内で人の血を吸う
平年は7月8月9月に増殖期がまとまっていますが、
今年は増殖期が5月6月にあり、猛暑でいったん活動が減って、9月にもう一度増殖期を迎えると考えられています。
害虫防除技術研究所所長 白井良和氏:
タマゴを多く生もうと頑張って血を吸おうとして、人を執拗に追いかけてくるというような状況も見られますね。9月中が一番注意が必要で、10月下旬まで要注意ということになります。
恵俊彰:
暑さがずれこんだら、下手したら11月ぐらいまで影響が出るということもあるんですか?
害虫防除技術研究所所長 白井良和氏:
あります。私は11月21日に刺された事がありますから。
蚊が多くなると、生き残った蚊も多くなりますので。
蚊を‟増やさない”対策
年の夏は雨の日が少なかったため水溜りが少なく、あっても猛暑ですぐ蒸発していたことで繁殖が抑えられていました。9月の秋雨で“増やさない”対策が必要です。
蚊が成虫になるまでの期間は、イエカの場合、水中で約10日間。
外に出ているバケツや植木鉢の受け皿は、週1回は確認をして水を捨てましょう。
恵俊彰:
ペットボトルのキャップの水だけでもタマゴを生んだりするんでしょ?
害虫防除技術研究所所長 白井良和氏:
数ミリの水深があれば幼虫が育つことができます。
蚊に‟刺されない”対策
▼蚊の針が皮膚に届かないようにゆったりとした服を着る
▼蚊は風に弱いので、扇風機をスイングモードでかけたり、うちわやハンディファンで自分に風をあてる
▼家に入るときにフェイントをかける
(蚊はゆっくりと上下しながら飛ぶので、急なスピードに対応できない)
恵俊彰:
フェイント?ドアを開けてからすばやく動くってこと?
害虫防除技術研究所所長 白井良和氏:
玄関から3m~5m下がって、遠くに行ってからダッシュで入るという意味です。
蚊をおびき寄せて、自分だけサッと入る。
恵俊彰:
先にカギを開けておいた方がいいね。カギを開けて、下がって、ダッシュする。
エレベーターに乗るときも気をつけなきゃいけませんね。
(ひるおび 2024年9月2日放送より)
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<プロフィール>
白井良和氏
害虫防除技術研究所所長
医学博士 30年以上蚊を研究