9月1日は防災の日。地震や突風などで割れてしまい、けがに繋がる可能性のあるガラス。そのガラスの防災についてみていきます。
【写真を見る】命を守る“強いガラス”「防災合わせガラス」が持つ防犯&防災に優れた4つの特徴 9月1日「防災の日」【Nスタ解説】
割れたガラスからどう身を守る?「防災安全合わせガラス」の特徴とは
齋藤慎太郎キャスター:
最近では、台風10号により、宮崎市で自宅マンションの窓ガラスが7枚割れ、全ての部屋に被害が出るという事例がありました。
ほかにも、市内で少なくとも9人が重軽傷を負ったということです。
さらには、台風被害の避難所の窓ガラスが割れて、けがに繋がったというケースもあるということです。
そこでご紹介するのが、防災・防犯に役立つガラス「防災安全合わせガラス」です。
主に、自動車のフロントガラスや住宅の窓ガラスの一部などで使用されています。2枚のガラスの間にフィルムが挟まっていて、圧着されているため、かなり分厚くなっています。
【「防災安全合わせガラス」の主な特徴を4つ】
(1)飛来物が当たっても貫通しにくい→けが防止
(2)割れても破片が飛散しにくい→けが防止
(3)空き巣などが侵入しにくい→防犯対策
(4)紫外線ほぼ100%カット→色あせ対策
機能ガラス普及推進協議会の橋本佳樹さんとともに、様々なガラスの強度を比較します。
普通のガラス、網入りガラス、強化ガラス、防災安全合わせガラスの4つの異なるガラスを金槌ちで割って強度を検証します。(※安全に配慮し、ガラスの上にシートを敷いて実演)
齋藤キャスター:
普通のガラス・網入りガラスは結構簡単に割れてしまいます。
ホラン千秋キャスター:
普通のガラスと網入りガラスは強度は同じで、網が入っているかどうかの違いということですか?網が入っていると、どのような効果があるのでしょうか。
機能ガラス普及推進協議会 橋本佳樹さん:
強度は同じです。網が入っているガラスは、現在は防火用のガラスとして使われています。火の延焼を抑えるために、ガラスの脱落を抑えるという特徴があります。
齋藤キャスター:
強化ガラスも結構簡単に割れてしまいますが、割れたガラスの飛散のしかたに違いがあります。
機能ガラス普及推進協議会 橋本佳樹さん:
ガラスが割れたときに細かく砕けるので、一般のガラスよりも破片が鋭利にならない。割れたときでも安全ということで、安全なガラスとして人が集まる建物や、学校などに用いられています。
井上貴博キャスター:
普通ガラスと比較すると、強度に関してはどのくらいの違いがあるのでしょうか。
機能ガラス普及推進協議会 橋本佳樹さん:
普通のガラスの2倍以上の強度があります。
ひびが入っても破片が飛び散らない 防災だけでなく防犯にも有効
齋藤キャスター:
最後は「防災安全合わせガラス」です。力を入れて思いきり叩いても、穴が開きません。
ホランキャスター:
ひびが入っても、壊れないんですね。
機能ガラス普及推進協議会 橋本佳樹さん:
やはりガラスなので、叩くと割れてしまいますが、2枚のガラスの間に対貫通性がある膜が挟まっているので、穴が開きません。台風のときに物が飛んできて当たっても、部屋の中まで貫通しないし、ガラスが割れても破片が飛び散らないといった特徴があり、防災だけでなく防犯にも有効なガラスです。
井上キャスター:
猛暑で、ガラスが熱膨張して割れるというトラブルもあると聞きますが、熱についても強いのでしょうか。
機能ガラス普及推進協議会 橋本佳樹さん:
ガラスの中で温度差があると、ガラスは割れます。
例えば、屋外に植木鉢を置いていて、その影がある部分とない部分だとガラスに温度差が出てきてしまい、そういった場合にガラスが割れるという現象が起きます。「防災安全合わせガラス」でもその現象は起こりえます。
齋藤キャスター:
ただし、割れた場合でもガラスの破片が飛散しないということになります。
ホランキャスター:
2枚のガラスの間にフィルムを1枚入れることによる効果は、実際に見ると一目瞭然ですね。
井上キャスター:
ただ、コストは通常のガラスよりもかかりますよね。
機能ガラス普及推進協議会 橋本佳樹さん:
ガラスが2枚あって、その間に膜が挟んであるので、普通のガラスの3~4倍ぐらいの値段にはなります。
井上キャスター:
「防災安全合わせガラス」が流通して、需要がある程度高まると、価格も下がっていくと考えられますよね。
機能ガラス普及推進協議会 橋本佳樹さん:
そこは考えられると思います。普及が進み、安全な窓ガラスを実現していただきたいと思っています。