茨城県・つくば市の市長が、自身の退職金の金額を市民に決めてもらう条例を提案しています。15歳以上ならスマホのアプリから投票できるという今回のアイディア。市民はどう評価するのでしょうか。
【写真を見る】つくば市長の退職金額を市民がネット投票で決める 市長「インターネット投票に向け事例の一つとして」【Nスタ解説】
つくば市長の退職金 金額は市民が決める
前代未聞の取り組みは、茨城県つくば市で。
8月26日、突然、つくば市長からこんな宣言が・・・
五十嵐立青市長 Xより
「市長退職金についてインターネット投票を行います」
なぜ退職金をインターネット投票で決めてもらうのでしょうか?
そこで、つくば市の五十嵐立青市長を直撃!
つくば市 五十嵐立青市長
「今、政治家ってそもそも信頼されていないという危機感を持っているんですね。選挙の時は政治家はいいこと言います。『あれもやれます』『これもやります』本当にやっているのか、それともやっていないのかということは、選挙が終わった後、確認する方法がない」
まもなく2期目の任期満了を迎える五十嵐市長。
市民にネット投票してもらい、100点満点で評価。その平均点を退職金に反映させるというのです。これが導入されれば全国初の試みだと言います。
つくば市 五十嵐立青市長
「退職金という材料を使って、実績を市民に見てもらって、それに対して評価をしてもらうことで、おまかせ民主主義にしないということを考えていかなくちゃいけない。選挙で投票した後も、ちゃんと市民は政治家を見てるよと」
五十嵐市長は1期目から退職金廃止を公約に掲げ、4年前の退職金は最低額の22円となりました。
この奇抜な取り組みを市民はどう感じているのでしょうか?
10代
「ネット投票自体は家にいる人でもできるし、支持率を明確にするのは斬新かなと思う」
50代
「悪くはなってないんじゃないですか。幅があるのであれば、多分真ん中くらいだと思う」
ネット投票や市長の取り組みについて評価している人が多いですが、こんな意見も・・・
50代
「(退職金の金額を)委ねられても困るなと…」
子育ては終わり、老後はまだ。政策の恩恵を受けていない世代が判断に困るようです。
前代未聞の取り組み。
市長の退職金はいくらになるのでしょうか?最後まで目が離せません。
市長の狙いは…「インターネット投票に向け、事例の一つとして積み重ねていきたい」
井上貴博キャスター:
市議会で条例案が可決されれば実施となります。他の自治体に広がっていく流れになっていくのでしょうか?
8月26日に、つくば市長は「市長の退職金」について、つくば市の情報発信アプリ「つくスマ」での投票を呼びかけました。
投票期間は11月1日~11日まで。15歳以上の市民が対象です。
対象市民は市政運営を0~100点(10点刻み)で評価し、評価の平均点から退職金の額を算出します。例えば0点となった場合は、法律上0円にはできないので、最低金額の22円。100点であれば満額の約2000万円になります。
ホラン千秋キャスター:
評価が高くても、元々もらえる額を超すというわけではない。
井上キャスター:
元々の額から何%を提示できるかということになっていくわけです。
取材に応じた五十嵐市長は「つくば市が目指している公職選挙のインターネット投票に向け、事例の一つとして積み重ねていきたい。仕組みを構築し、今後も様々な場面で民意を反映していきたい」と話しています。
ホランキャスター:
どう評価したらいいのかわからないという声もありましたが、政治家は「見られているんだ」という緊張感の中で市政を行っていくということは、いいバランスになりうる可能性はあるわけですよね。
井上キャスター:
五十嵐市長は、これがどう受け止められるかわからないけれども、市民含めて政治に興味を持ってもらいたい、市民参加型にしていくためにやってみたと話していました。
首長の退職金を巡り…
2023年5月に退任した徳島県の飯泉嘉門前知事は新型コロナで疲弊した県内の経済状況に鑑み、退職金約3100万円を受け取りませんでした。
2024年5月に辞職した静岡県の川勝平太前知事は、“差別的な発言”などで辞職に追い込まれた形ですが、退職金約2800万円、ボーナス約250万円を受け取っています。
受け取らない判断もあれば、受け取る判断もある。
仕事に見合った退職金をもらうというのは、ごく自然なことですが、このお金にどう向き合うか政治家の本性も出る気はします。