四字熟語の「握髪吐哺」。
この四字熟語は、有能な人材を熱心に集める様子をあらわしています。
ここでは、この「握髪吐哺」について、その意味や成り立ちについて解説します。
「握髪吐哺」とは
「握髪吐哺」のがどのような意味なのかを見ていきましょう。
「握髪吐哺」の意味
「握髪吐哺」という四字熟語は、有能な人材を求めるのに熱心な様子をあらわしています。
有能な人材や有望な人材を喜んで迎え入れ、その人の意見を求める事に熱心な様に対しても用いられます。
優れた学者や賢者などを登用する事に熱心であったり、識者の話を熱心に聞くこととなります。
「握髪吐哺」の由来
ここからは「握髪吐哺」の由来を紹介します。
「握髪」とは
「握髪」は、洗髪の途中で髪の毛を握って洗うのをやめることを意味します。
髪の毛を洗いかけであっても面会したい、という強い思いをあらわしています。
「吐哺」とは
「吐哺」は食事していた食べ物を戻してしまう様子すことを意味します。
食事中であっても人に会う事を優先する様を表現しています。
由来となった古代中国の政治家の行動
「握髪吐哺」という言葉は、古代中国で活躍した政治家の行動が由来です。
その由来は、『韓詩外伝-三』や『史記-魯周公世家』に描写された故事から来たとされています。
古代中国・周という国には、「周公旦」という政治家がいました。
この人物は、優れた人物から知見を得る事に熱心で、賢者の来客となれば入浴中であってもすぐに面会し、食事中でも話を聞くために食事を中断していたのだとか。
優秀な人物からの話を聞くのに熱心なその様から、「握髪吐哺」という表現が生まれたのです。
「握髪吐哺」の類義語
ここからは「握髪吐哺」の類義語を紹介します。
一饋十起
「一饋十起」は、学者や賢者といった識者を強く求めることの例えとなる四字熟語です。
「一饋」は1回の食事、「十起」は10回の離席を表しています。
これは、古代中国・夏という国の「禹王」が学者や賢者から意見を求めるために、食事中に10回も席を立ったという逸話から成立した四字熟語となっています。
まとめ
「握髪吐哺」は、優れた人材を雇用しようと熱心な様子をあらわす四字熟語です。
識者の話に熱心に耳を傾ける様子に対しても用いられます。
これは、古代中国の政治家、周公旦が賢者が訪問すれば入浴中だろうと食事中だろうと面会を優先する様から成立した言葉となっています。