9月に入ってからも厳しい暑さが続いていますが、これから活躍してくれる葉物野菜が高騰しています。さらに世界の異常気象で、チョコレートにも甘くない影響が出ているようです。
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ホウレンソウは1把100円→270円に “高騰の流れ”は9月中は続く?
山内あゆキャスター:
葉物野菜が値上がりしています。
2024年のホウレンソウは通常よりも10センチほど小さく、茎も細いということです。
原因は、この夏の高温や台風の影響で生育が遅れたことで、味には問題ないが、これまでよりも少し小さく、価格も高くなっています。
都内のスーパー「アキダイ」によると、ホウレンソウは安い時には1把約100円ですが、9日時点の値段は1把270円です。
ホウレンソウ農家・キミシマファームの君島孝男さんは、「この状況は9月中は続きそう。10月になれば少し解消する」と期待を寄せていました。
“異常気象”が世界の食卓に影響 韓国では「備蓄白菜」放出か
山内あゆキャスター:
価格高騰は葉物野菜だけ、日本だけの問題ではありません。この夏の異常気象などが、世界中の作物に大きく影響を及ぼしています。
▼韓国では記録的な猛暑で、ハクサイが不作になっています。国が「備蓄白菜」を放出するという状況にまでなっているようです。
最近、日本では「備蓄米」という言葉を聞くようになりましたが、韓国には「備蓄白菜」があるようです。
▼オリーブは、ヨーロッパ、特に一大生産地・スペインの記録的な干ばつで不作になっています。オリーブオイルも値上げが止まりません。
▼オレンジは、ブラジルやアメリカが産地ですが、ハリケーン被害や木の病気の拡大で不作となっています。オレンジジュースが一時欠品するということもありました。
チョコレートの仕入れ価格"3倍以上"の所も 高騰の流れは「2025年も継続」か
山内あゆキャスター:
チョコレートやココアの主原料「カカオ」も、主な原産国・ガーナなどで天候不良・木の病気が流行していて、記録的な不作が続いています。
1トンあたり2500ドル~3500ドルぐらいで推移していたカカオ豆の取引価格が、2024年4月は9877ドルと2倍以上、1万ドル近くまで上がりました。そこから少し落ち着きましたが、8月でも6792ドルと高止まりしています。(出典:国際ココア機関・米NY市場の平均価格)
カカオの木は一度、病気になってしまうと植え替える必要があり、次に収穫するまでには5~6年かかるということで、短期的に解決できることではなさそうです。
影響はチョコレートを扱う菓子店にも及んでいます。
東京・世田谷区の「パティスリー ビガロー」によると、チョコレートの仕入れ価格(1キロ)は、約1年前の2000円から、2024年9月には6000円~7000円と3倍以上になっています。
オーナーシェフの石井亮さんは「店で使うチョコレートを8種類から4種類に減らし、うまく使い回すように工夫をしている。クリスマスはチョコレートを使用したケーキの種類を減らし、他のメニューを充実させることで何とか乗り切りたい」としています。
在庫をたくさん抱えないようにし、チョコレートのメニューを減らすことで価格の高騰に対抗していく考えです。
チョコレートを卸す専門商社によると、チョコレートの高騰は「少なくとも来年も継続か」ということで、簡単には解決できないようです。
栗は例年より“1~2割”安い所も お得な秋の味覚は?
山内あゆキャスター:
秋の味覚の価格はどうなのでしょうか。
都内スーパー「アキダイ」によると、▼例年より栗が1割~2割程度、安いそうです。剥くのは大変ですが美味しいので、ご飯に混ぜて食べたいです。
▼かぼちゃは例年と同じくらいの価格です。国産(北海道)のシーズンはまもなく終了し、今後は海外産になるそうです。
栗やかぼちゃを食べてみるのはいかがでしょうか。
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<プロフィール>
宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信し、女性の性に関する著書が人気