午前8時すぎに鳥島近海で発生した地震に伴い、伊豆諸島で相次いで津波が観測されています。気象庁は会見を開き、海や海岸から直ちに離れるよう呼びかけています。
午前8時14分頃、鳥島近海で震源の深さおよそ10キロ、マグニチュードは速報値で5.9の地震が発生し、気象庁は伊豆諸島と小笠原諸島に津波注意報を発表しています。さらに、八丈島八重根で50センチ、神津島で20センチ、三宅島の阿古と坪田、伊豆大島の岡田で10センチの津波を観測しています。
気象庁はさきほど会見を開き、海の中や海岸から直ちに離れるよう呼びかけました。
気象庁地震火山部 青木重樹地震津波対策企画官
「最大でも今のところ0.5メートルですが、これは津波としては非常に高い高さになりまして、海の中の作業とか海岸付近では非常に危険です。今から海に入るということは決してしないようにお願いしたい」
今回の地震で震度1以上を観測した地域がなかったことについては、マグニチュードが比較的小さいことと震源が陸から遠いことが要因とみられるということです。
また、気象庁は今月19日に、今回の地震の震源とほど近い須美寿島で火山活動が活発になっている可能性があるとして噴火警報を発表しています。
気象庁の担当者は「現時点で火山活動と今回の地震の関連はわからない。過去に鳥島近海で発生した火山活動による地震と今回の地震の特徴は似ているという印象は受ける」としています。
鳥島近海では去年10月にも相次いで地震が発生し、太平洋沿岸の広い範囲で津波が観測されていました。このときの地震と津波は、当時、鳥島付近の海底火山で発生した噴火が関係している可能性が高いとみられています。