ボルネオ島の歴史に残る「パラシュート猫部隊」ネズミ撃退と島民の「猫友」になるのがミッション

2024-09-27 06:00

1950年代、ボルネオ島では蚊を退治する薬品「DDT」が大量に散布され、このために猫を含む多くの生き物が亡くなり、ネズミが大量発生して病気を媒介する危機に直面しました。その状況を救ったのは「パラシュートで多くの猫を島へ送り込む」という作戦だったのです。

島民にマラリアが大流行

病気を媒介する蚊

画像はイメージです

1950年代に世界保健機関(WHO)は、1万4千匹を超える猫をパラシュートで降下させて、東南アジアのボルネオ島に送り込むための資金援助と支援を行いました。

当時ボルネオ島のダヤク族は、蚊が媒介するマラリアの大流行によって大きな被害を受けていました。このためWHOは、有機塩素系殺虫剤であるDDTをその地域に大量に散布しました。これにより、蚊は死んでいき、マラリアの患者も減少してボルネオ島の人々は喜んだのです。

ところがその後、家々の茅ぶき屋根が崩れ始めました。以前は茅を食べる毛虫を蜂が退治していたのですが、DDTによって蜂が死んでしまって、毛虫が大量に繁殖したためでした。

これに加えて、DDTを体内に含んだ昆虫がヤモリに食べられ、それを食べた多くの猫が死亡しました。猫好きなボルネオ島民たちはとても悲しみ、WHOにこの状況を改善するよう懇願したのです。

空から猫を大量に送り込む作戦

降下中のパラシュート

画像はイメージです

猫の専門家数名と検討を重ねたWHOは「1万4千匹の猫をパラシュートで島に投下させる」ことを決めました。猫たちは人々の心に安らぎを与えるだけでなく、チフスやペストを媒介するネズミの大量発生を抑えるのにも役立つからです。

この取り組みは「キャットドロップ作戦」と名づけられました。さっそく猫たちは空輸され、次々とパラシュートで上空から島へと飛び降りていきました。

地上で待つボルネオの人々は、新しい「猫の友」の到着を大喜びしました。やがてそうした猫の活躍のおかげでネズミの数は減少し、人々に以前のような心のやすらぎをもたらしたのです。

猫たちの勇気と活躍に乾杯

木陰で休むボルネオ島の猫

画像はイメージです

Rachel Wynberg氏とChristine Jardine氏の共著「バイオテクノロジーと生物多様性:南アフリカの主要政策課題(BiotechnologyandBiodiversity:KeyPolicyIssuesforSouthAfrica)」(2000年)の中で、著者たちは次のように指摘しています。

「(ボルネオ島の経験は)生命には相互に関連性があり、問題の原因はしばしば解決策として導入された手法から生じているのです」

それにしても、70年前にパラシュートで島へと降り立った猫たちの勇敢さは、すばらしいですね。猫たちの勇気とその後の大活躍を、現在のわたしたちも讃えたいと思います。

出典:ParachutingCats-ATrueStory

関連記事

猫は一緒に寝る人を選んでいる?人のそばで寝る理由、一緒に寝る方法と注意点
猫が嬉しい!と感じている時の4つの仕草
猫が撫でてほしい時にする6つの仕草
猫が心を許した人にだけする仕草5つ
猫が足を噛む6つの理由と対策

  1. 【天気解説】北日本・北陸など日本海側で雪や雨 火曜日以降は“最長寒波”突入 日本海側では大雪に警戒 関東も一段と厳しい寒さに
  2. 【 櫻井翔 】 けさの寝室の惨事を告白 「ショックでした…」 嵐コンサート迫るなかメンバーカラー「赤」に引っ張られクイズ不正解
  3. 8年前の「性加害」 当時の関係者らから聞き取りへ 札幌市の市立高校で女子生徒が同級生の男子生徒に身体触られる性被害
  4. 山陽新幹線が運転再開 厚狭駅通過中に線路にいた乗客と接触する事故 広島-博多間で一時運転見合わせ
  5. 「働けど働けど生活が成り立たない」経済格差広がるアメリカ 止まらぬ物価上昇…政権発足から1年 トランプ大統領は「世界で一番“ホットな国”だ」
  6. 櫻井翔 出演! 新TVCM『だから、チューリッヒ』放映開始!! 櫻井「自分のスタイルにあった保険をカスタムできるのは心強い」
  7. 【 名取裕子 】 現場で〝実演販売さながらのグッズを持参〟 「女優より賄い(まかない)のおばちゃんの方が向いている」
  8. 「実行役と同じ扱いには納得できない」埼玉・所沢市の闇バイト強盗事件 “リクルーター役”の32歳男が初公判で起訴内容を否認 さいたま地裁
  9. 妊娠中の私に無神経な一言。なぜ私が謝る流れに・・・!?義実家で起きた忘れられない出来事
  10. 猫が人や物に『スリスリ』しているときの心理3つ 実はさまざまな意味が込められている?
  1. 山陽新幹線 広島-博多間で運転見合わせ 厚狭駅通過中に線路にいた乗客と新幹線が接触する事故
  2. スペイン南部で高速列車2本脱線 少なくとも21人死亡 列車内には閉じ込められている乗客も…救出活動続く
  3. 【 氷川きよし 】 「親友のあやなが駆けつけてくれましたー!」 加藤綾菜さんと乾杯ショット 「いつも茶さんへの愛情に感謝と感動です。あーたはホントに人格者。尊敬します」
  4. 中国 内モンゴル自治区の工場で大規模な爆発 2人死亡、5人行方不明 鉄鋼メーカーやレアアース関連企業が集まる包頭市
  5. 【速報】2025年 中国のGDP成長率+5.0% 政府目標を達成
  6. 長期金利 一時2.23%に上昇 約27年ぶりの高水準 「食料品の消費減税」検討で財政悪化の懸念強まる
  7. EUがアメリカに17兆円規模の報復関税を検討 グリーンランド領有めぐる追加関税に反発
  8. 山梨・扇山の山林火災 大月市内で延焼続き鎮火のめど立たず 県内で“戦後最大”の被害見込み
  9. 【 船越英一郎 】 〝サスペンスの帝王〟が映画で復活 「刑事ドラマの本格サスペンスが準備中」
  10. 【特別展示】「モノが語る戦争」 にしきひみつ基地ミュージアムで未公開戦時資料を展示
  11. マイスホールディングス、訴訟終結と新経営体制移行を発表。
  12. 延焼中の静岡・藤枝市の山林火災 夜間に火が再燃するなど鎮圧に至らない状況続く