「私が倒れたらどうしよう」シングルマザーの過酷な心境 止まらぬ物価高に“ひとり親家庭”の98%が「去年より厳しい」の声

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-10-06 07:00
「私が倒れたらどうしよう」シングルマザーの過酷な心境 止まらぬ物価高に“ひとり親家庭”の98%が「去年より厳しい」の声

「不安しかない…」止まらない物価高と変わらない現状に嘆くシングルマザー。過酷な夏が過ぎたとはいえ、ひとり親家庭が直面する現状は依然として苦しい。支援団体はさらなる行政支援の必要性を訴える。

【写真】支援団体「キッズドア」に寄せられた手紙

止まらない物価高 去年に比べて「家計厳しい」98%に

「私は両親も亡くなっているので、自分が倒れたら子どもたちはどうなるのかといつも心配しています」

東海地方に住むシングルマザーのAさん(47)は、小3と小6の息子と3人で暮らしている。身近に手助けをしてくれる親族もなく、子どものことを考えれば考えるほど、不安な気持ちになるという。

Aさんは8年ほど前に離婚。自分の化粧品や衣服などの購入は極力控えているが、止まらない物価高に日々の生活は一層苦しくなっていると嘆く。

Aさん(47)
「スーパーでこれまで通り買い物をすると、これまでの2倍くらい高い印象です。『きょうはこれを我慢しよう』と買うのをやめることもあります。これから先のことを考えると頭抱えちゃいますね」

学校が夏休みの間は育ち盛り、食べ盛りの小学生の息子たちに満足に食べさせることができず、「本当につらかった」と振り返る。

子育て家庭の支援などを行うNPO法人「キッズドア」が、2024年6月に支援家庭を3309世帯対象に行ったアンケート調査(※1)によると、昨年同時期に比べて家計が「とても厳しくなった」「やや厳しくなった」と答えた人は合わせて98%にものぼる。

(※1)認定NPO法人キッズドア 2024 夏 子育て家庭アンケート調査 対象:キッズドア・ファミリーサポート登録世帯 3309世帯に配信、1821世帯が回答

苦しかった夏休み 体験格差に悩む親

さらに、この夏も“災害級”の暑さが続いたことが家計にダメージを与えた。

Aさん(47)
「夏休みは暑さも心配なので、子どもたちは基本的に家の中で過ごしていました。ほぼ24時間エアコンはつけっぱなしで電気代が心配です」

キッズドアが行った調査では、夏休みは「今よりも短い方がよい」と答えた人が47%でほぼ半数を占めた。その理由として、▼子どもがいることで生活費がかかる、▼子どもの昼食を準備する手間がかかる、▼夏休みに特別な体験をさせる経済的な余裕がないといった事情が挙げられたという。

キッズドア 渥美未零さん
「子どもは親をよくみていて、『もったいない』『電気代が…』といった言葉を覚えているものです。『親が仕事を休んだら収入が減ってしまう』からと、体調が悪くても言い出せない、くつがボロボロになって穴が空いていても言わなかった、という子どもの話を聞くこともあります。

一方で、仕事や家事などに追われる親御さんたちは子どもと過ごす時間がなかなか取れません。そうすると、子どもたちはどうしても家でゲームをしたりYouTubeを見て過ごしたりする時間も長くなってしまいます。この先を考えるとゲームやネットへの依存も心配です」

Aさんも、子どもに「色んな体験をさせてあげたい」と望んでいるが、今年も叶わなかったという。

Aさん(47)
「何より子どもに体験させてあげたい、子どもとの思い出を作りたいと思っています。8年ほど前に離婚して以降、旅行は本当に数年に1度になってしまいました」

政治には「期待していない」 ひとり親家庭への長期支援を具体的に

石破新総理となり、今月27日には3年ぶりの衆議院議員総選挙が行われる見通しだ。立憲民主党の代表選、自民党総裁選などもあり、政治のニュースが連日注目されているが、Aさんは政治に「期待していない」と嘆く。

Aさん(47)
「子どものいる家庭へのバラマキはやめてほしいです。その時はやっぱりありがたいんですけど、長期的な支援にはなっていないですし、ひとり親家庭への風当たりが強くなると感じています。長期的にみた支援、食料支援などを具体的に考えてほしいと思っています」

キッズドアの渥美さんも、行政の支援をもっと拡充する必要があると訴える。

キッズドア 渥美未零さん
「私たちが支援しているひとり親家庭の中には、生活保護を受けられるような生活水準の家庭も多くあります。しかし、大学進学といった子どもの将来のことや、学校で冷たい目を向けられないようにと考えて、仕事に、家事に、育児にと踏ん張っています。

DV被害にあって離婚した家庭や多子家庭など状況も様々ですし、行政の支援からこぼれ落ちてしまう家庭に対して、物資や情報、体験、就労といった面で支援していく必要があると感じています」

  1. ドジャース山本由伸 3回5失点で降板、試合中に修正もパ軍打線の勢い止まらず、大谷の同点アーチに応えられず
  2. 大谷翔平 PS開幕戦でいきなり豪快3ラン!バット放り投げ雄叫び、初回3失点の由伸を援護、本拠地は大熱狂
  3. 愛猫が『運動オンチ』だと示す3つの行動 気をつけるべきことはある?
  4. 犬の『欲求不満』を解消する3つの方法 愛犬が満たされていないと感じているときにする行動とは?
  5. 【小野賢章】妻・花澤香菜さんと「35ちゃい」のお祝い動画 声優仲間やファンから祝福続々
  6. 【星野真里】長女・ふうかさん 「筋力が弱い彼女は500mlのペットボトルを持つのも一苦労」 SNSで明かす 「本人がチャレンジしたいと思ったら我が家はとりあえず全力でサポート」 【先天性ミオパチー】
  7. 秋田県 湯沢市 協和精工 MINASE と川連漆器 漆工房 攝津 のコラボ DIVIDO漆シリーズ「虹の雲」10/1〜11/30 受注販売、見る角度で天然貝の色や輝きが変わる伝統技巧プレミアムモデル
  8. 佐野慈紀さん 「今週も週3回の透析」 状況明かす 「治療後の倦怠感はかなりのもの」 今年5月に右腕切断手術
  9. 体長30メートルのクジラの模型!世界最大の花ラフレシア!ナゾのミイラと干し首!上野のワンダーランド・国立科学博物館と世界遺産
  10. タクシー運転手男性(59)の顔面を指で突くなどした疑いで男(24)を逮捕 被害者は両目から血を流した状態で近くの交番へ 神奈川・川崎市
  1. タクシー運転手男性(59)の顔面を指で突くなどした疑いで男(24)を逮捕 被害者は両目から血を流した状態で近くの交番へ 神奈川・川崎市
  2. 佐野慈紀さん 「今週も週3回の透析」 状況明かす 「治療後の倦怠感はかなりのもの」 今年5月に右腕切断手術
  3. 「おてて握ってて」眠りながらも甘えてくるポメラニアンの仕草が話題に「かわいい」「おててもあんよも握ってあげたいです」
  4. 犬と一緒に『ハリーポッター』を観ていたら…『あれ?俺映ってるやん』想像以上に似すぎている姿が20万再生「イタグレあるあるw」と爆笑
  5. 「高市、用意しとけ」次の総裁選に向けた麻生氏の助言 高市早苗氏が目指す総理の座 石破政権の次を見据え課題払しょくに動き
  6. 体長30メートルのクジラの模型!世界最大の花ラフレシア!ナゾのミイラと干し首!上野のワンダーランド・国立科学博物館と世界遺産
  7. ふたりは仲良し!寄り添うようにくっついて離れないウサギとシカ【海外・動画】
  8. 『コメ不足』せんべいメーカー直撃! 倒産・廃業過去最多ペース 「値上げしなければ経営が成り立たない」
  9. 大谷翔平 PS開幕戦でいきなり豪快3ラン!バット放り投げ雄叫び、初回3失点の由伸を援護、本拠地は大熱狂
  10. 静岡・山梨両知事  リニア中央新幹線のトンネル工事に向けたボーリング調査 初視察
  11. トランプ前大統領 殺人未遂事件の場所で選挙集会 イーロン・マスク氏も初めて参加
  12. 『Galaxy Z Flip6』Web CM第2弾が公開!スポーツクライミング・パリ五輪銀メダリストの安楽宙斗選手がCM初出演
×