石破総理が表明した次期衆議院選挙でのいわゆる“裏金議員”の非公認などをめぐり、自民党内が揺れています。非公認は10人以上となる可能性が出てきていて、安倍派議員らからは反発の声が上がっています。
【動画】“裏金議員”の非公認は10人以上の可能性 党内からは「完全なる安倍派潰しだ」と反発の声
石破総理
「相当程度の非公認が生ずることとなるが、国民の信頼を得る観点から、公認権者として責任を持って最終的に判断をしていく」
きのう、今月27日に行う予定の衆院選の公認について、党の方針を表明した石破総理。
連日にわたる党幹部との協議の結果、派閥の裏金事件に関わり、党から重い処分を受けた西村元経済産業大臣や萩生田元政調会長など、少なくとも6人については非公認とする方針を決めました。
けさ、西村氏は…
西村康稔 元経済産業大臣
「(Q.非公認となる見通しだが?)頑張ります。(Q.どう戦っていくか?)初心に戻って一からやるだけです」
また、総裁選で石破陣営に参加していた平沢元復興大臣も非公認の対象となり、きょう、平沢氏は「今回の党の判断を重く受け止めております。なお、この問題に関する決定プロセスには理解に苦しむものが多々あります」と、不快感を示しました。
石破総理は、処分を受けた議員のうち、地元から公認申請がない議員などについても非公認とする考えで、いわゆる“裏金議員”の非公認は10人を超える可能性が出てきています。
また、処分内容にかかわらず、裏金に関わった議員は小選挙区と比例代表の重複立候補を認めず、背水の陣で選挙に臨むよう求めました。
この判断に安倍派の議員は…
自民党(安倍派) 稲田朋美 元防衛大臣
「比例復活がないということは非常に重いことだと認識をしています。ただ、今回のことを受けて、国民の信頼を回復するためには、やはり退路を断つことを自分自身も考えていました」
党の判断に理解を示す安倍派議員がいる一方、党内からは「完全なる安倍派潰しだ」と反発の声が高まっています。
自民党中堅議員
「党が割れかねない。その一歩手前までいった判断だよ」
「選挙後、安倍派は火の玉になって石破政権に襲いかかってくるだろうね」
なぜ、石破総理は党内が分裂しかねない判断に踏み切ったのでしょうか。ある閣僚経験者は「最近、党が行った情勢調査の結果が相当悪かったようだ。その数字を見て焦って出した結果だ」と解説しますが、別の党関係者は…
自民党関係者
「安倍派に配慮して罪のない他の議員が落ちるぐらいなら、安倍派に厳しくした方が良いという、ギリギリの判断をしたということだよ」
ただ、衆院の解散直前の判断に安倍派だけでなく、公認申請を既に済ませている地方組織からも反発の声が上がっています。
自民党 井上信治 都連会長
「なぜもう少し早く決断をしていただけなかったのか」
党内から、公然と不満の声が上がる中、午後、内閣発足後、初の国会論戦となる代表質問に臨んだ石破総理。野党も自民党の公認問題を追及しました。
日本維新の会 馬場伸幸 代表
「国民感情からすれば、裏金・脱税に関与した全員を非公認とするべきではないでしょうか」
石破総理
「最終的な公認権者は総裁であり、不記載があった議員については、引き続き適切な方法で地元の理解を得られているかなど判断して参ります」
立憲民主党 野田佳彦 代表
「相当程度に非公認が生じるのではなく、大半が公認されるのではないでしょうか。この公認が本当に国民の理解を得ることができるかどうか、よくお考えを頂きたいと思います」
石破総理
「自民党総裁として、公表した方針に基づき公認に向けた手続きを進めているところであり、現時点において、公認となる方が誰かは具体的に確定は致しておりません」
石破総理はどのように「世論」と「党内」の声に向き合うのか、難しい舵取りが迫られています。