東京・港区の飲食店の前で倒れ、一時、心肺停止状態になった男性の命を救ったのは、飲食店の従業員の“とっさの判断”と警察官らの救助リレーでした。
東京消防庁赤坂消防署 清武直志 署長
「迅速かつ適切な救護措置を行い、救命したこの功労。誠に顕著であります。ここに深く感謝の意を表します」
緊張した表情で東京消防庁赤坂消防署から感謝状を受け取ったのは、飲食店従業員の工藤しのぶさん(53)と仲山大樹さん(42)、看護師の伊藤めぐみさん(47)、警視庁赤坂警察署・表参道交番勤務の梶原知明巡査部長(29)の4人です。
今年9月中旬の夜、港区南青山の飲食店に客として訪れていた男性が会計を終えて店を出た直後、突然、意識を失って倒れました。
倒れた男性を最初に発見したのは、この飲食店で働く仲山さん。仲山さんは、うつ伏せで倒れていた男性が呼びかけに反応がないことから119番通報をしました。
同じ飲食店で働く工藤しのぶさんも駆けつけ、男性が倒れている様子を見てAEDが必要だと判断。すぐさま近くの交番へ走ったということです。
飲食店従業員 工藤しのぶさん
「介護の仕事をしていた時に習った、AEDがどこにあるかを思い出し、急いで交番に走って…」
およそ3分後に、警察官の梶原巡査部長が交番からAEDを持って到着しました。
また、看護師の伊藤さんは飲食店を訪れた際、男性がうつぶせで倒れていたため、AEDが到着するまでの間、心臓マッサージを行いました。
男性は、4人の迅速な救命処置の結果、その後、意識を取り戻したということです。
看護師 伊藤めぐみさん
「(お店に入るために)通りかかったら人が倒れていて、協力させていただいた。一命をとりとめたということで、本当に嬉しく思います」
飲食店の従業員と警察官、そして看護師の救助リレー。ひとりひとりの“とっさの判断”と行動力が男性の命を救いました。