■フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第4戦 NHK杯(8日、国立代々木競技場第一体育館)
男子シングルのショートプログラム(SP)が行われ、NHK杯連覇を狙う鍵山優真(21・オリエンタルバイオ/中京大)が105.70点の高得点をマークし、首位スタートを切った。
GPシリーズ第1戦のスケートアメリカで3位の三浦佳生(19・オリエンタルバイオ/明大)は、自身初の“100点超え”となる102.96点で2位。壷井達也(21・シスメックス)が85.02点で3位に入り、日本勢による表彰台独占も見えてきた。
鍵山は昨シーズンのNHK杯は宇野昌磨を抑えて優勝。GPファイナルは3位で初の表彰台入り。今季のGPシリーズは、NHK杯と来週開催される第5戦のフィンランド大会に出場し、2季連続のファイナル出場を目指す。
この日、GPシリーズ初戦を迎えた鍵山は12人中10番滑走で登場。冒頭の4回転サルコウは余裕を持って着氷し、続く4回転トウループー3回転トウループも危なげなく決めた。後半のトリプルアクセル(3回転半)も確実に決めて勢いに乗ると、終盤は昨季のロック調とは雰囲気の違う雄大な曲調に合わせ、落ち着いたステップ、スピンで観客を魅了。演技後は表情が緩み、両手でガッツポーズをみせ、会場の大声援に応えた。
得点は“世界王者”イリア・マリニン(19、アメリカ)の今季世界最高107.25点(9月・ロンバルディア杯)には及ばなかったが、キス・アンド・クライでは手を叩き、高得点に納得の表情を見せた。
演技を終えた鍵山は「オリンピックで自己ベスト(108.12点)を持ってたので、108点いきたいなと思ってたんですけれども、なかなか難しくて」と振り返り、「4S(4回転サルコウ)も(出来栄え点)4点台じゃなくて3点台でしたし、スピンもあまり(加点)取れなかったところもあったので、そこをもう少し突き詰めていけば、自己ベストに近づいていけるんじゃないかな」とさらなる高みに向け、改善のポイントを口にした。