"幸運を呼ぶ猫"という異名を持つコラット。一体どのような猫種なのでしょうか。まだまだ珍しい!?『コラット』の魅力をたっぷりお届けいたします。
『コラット』ってどんな猫
日本ではまだまだ知名度が低いコラットという猫種。実はとても歴史のある猫で、ロシアンブルーとシャルトリューに次ぐ『ブルー御三家』の一種なのです。
ここまで聞くと"猫種だけなら何となく知っている"という猫好きさんもいらっしゃるかもしれません。
ここでは、知っているようで知らないコラットの魅力を紹介していきます。まずは基本情報についてです。
タイ原産の猫
コラットはシャム猫やバーミーズと同様に、タイで自然発生的に誕生した猫です。原産地のコラト高原にちなんでこの名が付きました。
コラット自体は少なくとも500年前には存在しており、アユタヤ王朝時代の書物や絵画にその姿が描かれていました。
以降、公認のブリードになるまでの経緯は以下の通りです。
- 1880年代:イギリスのキャットショーに出陣
- 1959年:アメリカで紹介される
- 1965年:CFAで猫種として公認
- 1975年:イギリスGCCFに登録
スレンダーで筋肉質
コラットは、がっしり体型のセミコビーに属する猫ですが、筋肉質でとても引き締まった体に成長します。ブルー御三家の中では最もスレンダーな印象を受けるでしょう。
被毛はシングルコートで、毛色は光沢のあるシルバーとブルーのみです。瞳の色はグリーンで、宝石のように輝いて見えます。
成長スピードがゆっくり
通常、短毛種の猫は1歳を過ぎれば成猫に区分され、立派なオトナになります。
一方、コラットは成猫になるまで5年ほどかかり、ゆっくり時間をかけて成長していきます。
マイペースでお喋り
コラットはマイペースな子が多く、よく喋り(わりと大きな声で鳴き)ます。社交的な性格で懐きやすく、遊び好きです。
このような性格から、積極的に構ってもらえる環境を好みます。いたずらっ子の一面も持ち合わせているので、誤飲につながりそうなものを放置しないように気をつけましょう。
気をつけたい遺伝子系の病気
コラットはいくつか注意の必要な疾患があります。
まずは『GM1 ガングリオシドーシス』です。これは、進行性の中枢神経障害や全身骨系統疾患を引き起こす疾患で、遺伝子系の病気になります。
そしてもう1つ、『GM2 ガングリオシドーシス』という遺伝子系の病気が挙げられます。これは糖脂質が脳に蓄積してしまう病です。
その他は、猫種を問わずなりやすい腎臓病や膀胱炎、尿路結石などに気をつけましょう。
"幸運を呼ぶ"ってホント!?その由縁とは
さて、ここからが本題です。コラットはなぜ"幸運を呼ぶ猫(シ・サワット)"と呼ばれているのでしょうか。その理由について解説いたします。
1.雨乞いの象徴だったから
先ほども紹介したように、コラットの被毛はブルー(グレー)系統です。この色が雨雲を連想させることから、かつては雨乞いの象徴とされていました。
雨が降れば作物がよく育ちます。このような背景から『豊作の象徴』として崇められていたのです。
2.神の象徴でもあった
豊作が続けば人々の生活は潤い、豊かなものになります。これが転じて『神の象徴』になったコラットは、いつしか幸運を引き寄せると言われるようになりました。
更に生活の中でも幸せを招くとされ、結婚式場などのおめでたい場の贈り物にされていたのだとか。とても貴重な猫として人々に愛され、敬われていたのです。
3.顔の輪郭がハート型
コラットの顔立ちは、例えるならばおにぎりを逆さにしたような輪郭です。そこにやや大きめの耳が加わるとハート型になります。
このハート型の顔こそがコラット最大の特徴で、"愛を表現している"といわれています。これもまた、幸運の猫と呼ばれる由縁のひとつになっています。
まとめ
今回は、コラットの魅力について紹介いたしました。『幸運を呼ぶ』という異名についても、ユニークな背景がありましたね。
歴史こそ古いものの、まだまだ珍しい猫種のコラット。筆者もまだ実物に会ったことはありません。この希少性もまた、出会えたらラッキーなのかもしれませんね。
もしもお目にかかる機会があれば、顔立ちも含めてその美しさを堪能してみてください。
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