線状降水帯の“半日前”予測情報の今年の発表実績について、気象庁の森隆志長官は、当初の想定と比べて「的中率」が下がった一方、「見逃し率」は上がって期待される水準に達しなかったとして、今年の大雨の例を検証し、引き続き予測精度の向上に努める考えを示しました。
今年度から府県単位で発表するようになった線状降水帯の“半日前”予測情報。
今年の発表実績について、気象庁の森隆志長官はきょうの定例記者会見で、現時点でこの情報を発表した後、実際に線状降水帯が発生した「的中率」がおよそ10パーセントに留まった一方、線状降水帯が発生したケースで事前にこの情報を発表できなかった「見逃し率」がおよそ62パーセントになったことを明らかにしました。
去年の例を踏まえた当初の想定では、「的中率」はおよそ25パーセント、「見逃し率」はおよそ50パーセントと見込んでいたため、「的中率」「見逃し率」ともに期待された水準に達していないことになります。
気象庁 森隆志 長官
「ひとことで言うと、やはり線状降水帯の予測は引き続き難しい。技術的に難しいというのをあらためて感じた」
特に「的中率」については、10月から今月にかけて宮崎県や長崎県、沖縄県、鹿児島県奄美地方で発生した線状降水帯についてまったく予測できておらず、低下の要因になりました。
森長官は「一定の大雨になることまでは予測できても、局所性の高い大雨の場合、線状降水帯になるかどうかの予測は難しい。今年発生した大雨の例の検証を進めて、引き続き線状降水帯の予測精度の向上に取り組む」としています。