女子駅伝の日本一が決まる「クイーンズ駅伝」が24日に行われる。前回大会2年ぶりの優勝に輝き、史上9チーム目の連覇に挑む積水化学の選手たちに話を聞いた。
日本代表が8人在籍 日本一6人に入るのが難しいチーム
指導する野口英盛監督も、「うちのチームの特徴は”世界”が一つキーワードになっているところ。世界大会に出場したい、世界で戦いたいという思いの強さを突き動かしてトレーニングができている」と話すように、今夏パリオリンピック™5000mに出場した山本有真(24)をはじめ、10000m日本記録保持者の新谷仁美(36)など、過去数々の世界大会で日の丸を背負って戦った選手が8人揃う豪華な顔ぶれだ。
オリンピック2回&世界陸上4回代表の新谷は「いい意味で駅伝に惑わされず、駅伝をきっかけとして自分の調子を上げていっている選手が多い。駅伝から世界だったり記録、自分の目標を定めて調子を上げていく選手が多い」と、メンバーの意識の高さを話す。
しかし、当日たすきを繋ぐことができるのはたったの6人。日本代表経験者でもメンバーに選ばれないこともあるというし烈な環境下で日々選手たちは奮闘している。
昨年6区を走り、満面の笑みで優勝のゴールテープを切った森智香子(31)も「強い選手が揃っているので、6人に入ることが本当に試練。今までの中で今年が一番メンバー争いが厳しい1年だったと思う」。世界陸上ブダペスト大会、今年8月のパリオリンピックと2大会連続で世界大会に出場している山本有真は「自分が一番速いというチームではないので、メンバーに入るのは本当に大変。オリンピックに出場した後でも外れるかもしれないと思っていた」と本音を明かした。
2021年、創部25年目で初優勝に輝いた。翌年は惜しくも2位に終わり、涙をのんだが悔しさを胸にトレーニングを積み、今や最強集団の呼び声が高い。
誰もが恐れるタレントぞろいの積水化学、連覇への挑戦がいよいよ始まる。
女子駅伝日本一決定戦「クイーンズ駅伝」は24日(日)12時15分号砲。
【選手コメント】
■新谷仁美(36)
連覇は私たちしかできないタイトルだと思う。個人的には連覇という普通のことよりも、完璧な勝ち方をしたいというのが理想。そういう展開をできる選手がそろっているので私はそういう勝ち方をしたい。
■森智香子(31)
昨年優勝して今年は連覇を目指す権利を獲得した分、しっかりゴールドゼッケンで連覇を目指して頑張りたい。
■楠莉奈(30)
現状にみんな満足してないというか、前評判はやっぱり今は一番うちが良くて、でもただ優勝するだけじゃみんな満足できない。そういった野生みあふれる感じがあるけど、やっぱり自分は 連覇がかかるっていうタイミングを何度か経験させてもらって、心のどこかでいやいけるでしょって思ってたとき、足元をすくわれることがあった。
危機感として伝えるのは難しいけれど、足元をすくわれないようにしっかり自分自身もやっていかないといけない。
■佐藤早也伽(30)
連覇にしっかり貢献できるように頑張りたい。前回、連覇できるチャンスがあったけれど、そこでそれを達成できなかったので、今回は絶対にしたいっていう気持ちがある。
昨年本当に思い切った攻めた走りができなかったので、今年はそこを克服したらチームに勢いがつくと思う。また一度も区間賞を取ったことがないので取りたい。
■田浦英理歌(24)
今年は連覇もかかっていて、チームでも合計のタイムを目標にしているところがあるので、1人1秒でも縮めて、目標タイムを更新して全員で優勝を狙いたい。
去年、足を引っ張ってしまったというのがあるので、自分が1秒でも前にタスキを繋いで、みんなの力になりたい。
■山本有真(24)
自分の力だけじゃなくて今までチームメイトに恵まれてるからっていうのもあるので、そのチームメイトに感謝して連覇に貢献できるように、区間賞、区間新記録は確実に更新していきたい。
チームとしては、しっかり野口さんから提示されたマラソンの元世界記録を超えること、自分もそれに向かって今やらないといけないことはすごく明確で、練習できている。