イスラエル軍と戦闘を続ける中東レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者は、停戦交渉の継続を認めているとしたうえで、停戦が実現するかは「イスラエルの対応と真剣さにかかっている」などと述べました。
ヒズボラの指導者カセム師は20日、ビデオ演説し、イスラエル軍との戦闘停止に向けアメリカが示した停戦案について返答したことを明らかにしました。
詳しい内容については明らかにしませんでしたが、カセム師は停戦交渉の継続を認めているとしたうえで、停戦の実現については「イスラエルの対応と真剣さにかかっている」などと述べました。
一方で、イスラエルがレバノン首都ベイルートへの攻撃を続けていることを非難したうえで、イスラエルの商業都市であるテルアビブ中心部への反撃を「覚悟しなければならない」と述べ、攻撃を継続する姿勢を示しました。
こうした中、シリア国営通信は20日、イスラエル軍がシリア中部パルミラの住宅や工業地帯で空爆を行い、これまでに36人が死亡、50人以上がけがをしたと報じました。
パルミラは、ユネスコの世界遺産に登録されているパルミラ遺跡がある都市ですが、空爆により、多くの建物に被害が出ているということです。
イスラエル軍はこれまでに今回の攻撃に対する声明などは出していませんが、シリア人権監視団によりますと、親イラン武装組織の武器庫などが標的だった可能性があるということです。