ビジネスの世界で度々目にする言葉、それが「上意下達(じょういかたつ)」です。
しかし、この言葉の意味がわからない人もいるかもしれません。
今回は字面からでは意味が想像しにくい「上意下達」という四字熟語の意味や読み方について解説します。
「上意下達」とは
ここでは「上意下達」の意味を解説します。
「上意下達」の意味
「上意下達」は上位の者の指示や命令を下位の者に徹底させることを意味する四字熟語です。
もしくは目上の人の意志や意図が目下の人によく伝わることも意味する言葉です。
「上意」は上の者の指示や命令のことを指す言葉となります。
「下達」は下の者に徹底させることを指す言葉となります。
例えば、特定の組織などで上司の意志や意図を部下に徹底させることを「上意下達」と表現するわけです。
他にもチームのリーダーやマネージャーがメンバーやスタッフに対して指図し、それに従わせることも「上意下達」と表現できます。
要は上から下に対して指示・命令を行い、それを徹底させることを「上意下達」と表現するわけです。
英語表現は”top-down”
「上意下達」は英語で「top-down」と表現します。
「top」は上を意味し、ビジネスでは目上の人を指すのが特徴です。
「down」は下を意味し、ビジネスでは目下の人を指すのが特徴です。
この言葉をシンプルに表現するなら組織内などビジネス上の上下関係を意味する言葉となります。
そのため「上意下達」の英語表現として覚えておきましょう。
「上意下達」はなんと読む?
「上意下達」は一般的に「じょういかたつ」と読みます。
「上意下達」の由来
では「上意下達」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここでは「上意下達」の由来を解説します。
「上意」は将軍の命令
「上意下達」の「上意」は「上の者の意」を意味します。
つまりは上位者の意志や意図を意味するわけです。
これはもともと主君や将軍の命令のことを意味していました。
それがビジネスの世界などで上位者の指示として使用されるようになりました。
「下達」は命令が伝達すること
「上意下達」の「下達」は「下の者に達すること」を意味します。
つまりは会社に命令が伝達することを意味するわけです。
主にビジネスの世界では下位者への指示がよく伝わることを意味する言葉として使用されています。
「上意下達」の対義語
ここからは「上意下達」の類義語を紹介します。
下意上達
「下意上達」は下の者の気持ちが上の者によく通じることを意味します。
身分の低い者の意見・主張が身分の高い朝廷・為政者の耳に届くことも指します。
本来、上下関係に厳しい世界などでは下の者が上の者に口出しするのはご法度と言えるでしょう。
しかし、場合によっては身分に関係なく相手の気持ちを理解することが必要です。
例えば、組織によっては平社員の言葉を経営陣が聞き入れることによって新たな発見や市場につながったりします。
そういう社風の会社や企業は「下意上達」が行き届いた組織といえるでしょう。
この点が「上意下達」とは真逆の意味となるのではないでしょうか。
Bottom-up
「Bottom-up」は組織の決定などが下位から上位へ移ることを意味します。
本来、組織のビジョンやプランは上層部が決めるものです。
しかし、下層部から思わぬ発想が生まれることもあります。
その結果、本来とは逆の決定が下されることもあるでしょう。
こうした特定の何かが「下から上へ」進む状態を指して英語で「Bottom-up」と表現します。
そのため、意味的にも「上意下達」の真逆といえるでしょう。
まとめ
「上意下達」は上の指示や命令が下に伝わることを意味します。
上位者が下位者に対して意見や主張を徹底させる意味でも使用されます。
この言葉はしばしばビジネスの世界で使用されるのが特徴です。
しかし、日常生活でも目上の人の言うことを目下の人がよく聞くような場面で使用されます。
そのため、ぜひ正しい意味は理解しておきたいです。
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