自民党はきょう、政治資金規正法を再改正し、政策活動費を廃止する方針を決定しました。自民党が「政治とカネ」の問題から決別する、その一歩となるのでしょうか。
【動画】自民が政策活動費の廃止を決定 政治とカネ問題から決別できるか
きょう、霧雨が降るなか、南米から帰国した石破総理。午後、さっそく向かったのは自民党本部です。
帰国後、待ち構えているのは「政治とカネ」の問題の決着です。
石破総理
「我が党が議論をリードするということが肝要であります。責任政党としての役割を果たしたいと思っております。年内の政治資金規正法の再改正等の実現に向けて、ご議論を賜りたいと思います」
自民党の政治改革本部の会合に出席した石破総理が強調したのは、政治資金規正法を年内に再び改正するということです。
自民党は、28日召集の臨時国会で政治資金規正法の再改正を目指す方針で、先ほど、それに向けた基本方針案をとりまとめました。
焦点の一つとなっていたのが、党から議員に支給される政策活動費の扱いです。先の通常国会では、政策活動費について、領収書を10年後に公開することを盛り込んだ改正政治資金規正法を成立させていました。
自民党としては“温存”した形ですが、野党は「抜け穴だらけのザル法だ」と批判し、衆院選で与党は惨敗。政治への信頼を取り戻すため、今回は「廃止」する方針となりました。
また、政治資金をチェックする第三者機関を早期に設置することなども決めました。
ただ、課題も残されています。それが…
立憲民主党 野田佳彦 代表(11日)
「(細川内閣の時に)政党交付金を導入する代わりに、企業・団体献金を廃止していく方向性を確認した」
日本維新の会 吉村洋文 共同代表(12日)
「企業・団体献金の禁止、ここが本丸だと思っています。『政治とカネ』の部分、永田町の古い価値観・文化、ここを変えていく」
「企業・団体献金」を廃止するかどうかです。
立憲民主党や日本維新の会が廃止を求めているほか、これまで禁止に慎重な姿勢を示していた国民民主党の玉木代表も次のように話しています。
国民民主党 玉木雄一郎 代表(5日)
「全党一致して(企業・団体献金を)やめます、ということでいうのであれば、我々として反対する理由はありませんので、こういったことは進めていきたい」
一方、自民党は「自主的な判断で献金を行うことまで妨げるものではない」として、廃止に否定的な考えです。
政治改革をめぐっては、近く、与野党協議を開催する方向で調整が進められていますが、企業・団体献金の扱い次第では協議が暗礁に乗り上げることも予想されます。
自民党は「責任政党」として議論をリードし、早期の決着を図れるのか。その本気度が問われています。