日本が誇る食品文化を世界に広める一大イベント、「第9回 日本の食品 輸出 EXPO WINTER」が本日より3日間の日程で開催中です。初日の会場は、国内外のバイヤーや日本食品に興味を持つ多くの来場者で賑わい、日本各地の食品や飲料が持つ魅力を発信する場として熱気に包まれていました。会場には多彩な食品が一堂に会し、それぞれのブースで出展者たちのこだわりや熱意を感じられる内容でした。
私たちナイスコレクションのライターも、初日に現地を訪れ、その活気を体感してきました。出展ブースの前では、日本食品を求める海外バイヤーが熱心に説明を聞いたり、試食を楽しむ姿が見られ、まさに国際的な交流の場となっていました。地元の食材を活かした商品や、グローバル市場を見据えた新しい取り組みが並び、それぞれが「日本の味」を世界に広めようとする熱意に溢れていました。
ここからは、会場で出会った印象的なブースをピックアップし、それぞれの商品や取り組みの魅力をご紹介します。
北海道の恵みを世界へ届ける乳製品(北海道乳業株式会社)
北海道乳業株式会社のブースでは、北海道産の新鮮な牛乳や乳製品が紹介されていました。同社の牛乳は国内のスーパーマーケットで広く販売され、その品質の高さから多くの消費者に支持されています。
特に注目すべきは、東南アジア市場への積極的な展開です。台湾や香港などへの輸出を行い、現地でも北海道産の牛乳や乳製品が高く評価されています。また、クリームチーズをはじめとする多彩な製品も展開されており、北海道の豊かな自然が育んだ乳製品の魅力を広く伝えています。
「北海道ブランド」を掲げたこれらの商品は、安心・安全と共に、確かな美味しさを世界中の食卓へ届ける役割を担っています。国内外でさらにファンを増やしていくことが期待されるブースでした。
健康志向の未来を提案する金の青汁(株式会社日本薬健)
青汁や健康飲料を中心に取り扱うこちらのブースでは、幅広い世代に向けた商品展開が目を引きました。これらの商品は国内のドラッグストアでも広く販売されており、現在の主な購入層は40~50代。しかし、若い世代にも健康の大切さを訴求していきたいという強い意気込みが伝わってきました。
そのための工夫として、パッケージデザインのリニューアルや、手軽に摂取できるカプセル状の青汁の開発など、若者のライフスタイルに合った商品作りが進められています。特に、食生活が乱れがちな若年層にとって、不足しがちな食物繊維を手軽に補える青汁は心強い味方。「一度飲んだらやめられない!」という熱いメッセージも印象的でした。
青汁というと従来のイメージにとらわれがちですが、このブースでは健康志向の未来を支える新しい可能性を感じさせる展示が展開されていました。また、海外市場への展開も積極的に進められており、青汁が国内外でさらなる注目を集めることが期待されます。
地元の味を海外へ届ける「食べるオイル」シリーズ(株式会社小田原屋)
食べるラー油や食べるオリーブオイルなど、多彩な調味料が並ぶブース。試食では、オリーブやゴマをベースにした5種類の「食べるオイル」シリーズが注目を集めていました。これらの商品はアメリカや台湾など海外市場にも輸出されており、現地の食文化に寄り添ったアレンジで高い評価を得ているとのこと。
印象的だったのは、パッケージデザインの個性。目を引くユニークなデザインは、海外のマーケットで競争力を高める要因にもなっているようです。食卓に彩りを加える調味料として、幅広い層から支持を集める理由が感じられるブースでした。
焼酎の新たな可能性を切り開く「SHOCHU REPUBLIC」(南山物産株式会社)
焼酎を日本から海外へ広めるための挑戦を続けるこちらのブース。焼酎は日本酒などに比べて海外での知名度が低く、その分かりにくさから輸出が伸び悩んでいる現状があります。そんな中、焼酎のブランド価値を高めようと、新たな取り組みが進められていました。
注目は、自社で開発した海外向けのオリジナル焼酎シリーズ「SHOCHU REPUBLIC」。このシリーズは、焼酎の魅力を海外市場に伝えるために作られたもので、洗練されたデザインや味わいが特長です。特に、焼酎初心者でも親しみやすい飲みやすさを重視した設計がされており、試飲コーナーでも好評を博していました。
また、九州の酒蔵12社から厳選した焼酎も展示され、それぞれの蔵元が持つ独自の技術やこだわりが際立つラインナップが揃っていました。試飲コーナーでは、訪れたバイヤーたちが熱心に味を確かめ、焼酎の新たな可能性に興味を示している様子が印象的でした。
「SHOCHU REPUBLIC」を通じて、焼酎の魅力が国内外にどのように広がっていくのか、これからの展開が期待されます。
日本の味を世界へ広げる取り組み(食肉加工品輸出協議会)
ハムやソーセージといった日本の食肉加工品を海外に展開する取り組みが紹介されたこちらのブース。展示スペースには、国内で製造された高品質な加工品が並び、バイヤーたちが熱心に説明を聞く様子が印象的でした。
日本の食肉加工品が海外に進出するには、輸出先の国との間で衛生条件に関する協定が必要となります。現在、この協定が締結されているのは台湾とシンガポールの2か国のみ。そのため、他国への輸出はもちろん、サンプル品の提供すら難しい状況が続いているとのことです。
それでも、食肉加工品輸出協議会は日本の味を世界に届けるためにさまざまな活動を展開中です。輸出が可能な地域では、商品の魅力を伝えるプロモーションや試食会を実施し、日本の加工品を知ってもらう努力を続けています。また、海外市場のさらなる開拓に向けて、各国の関係機関と協力しながら課題解決を模索しているとのことです。
日本の食肉加工品が持つ高い品質や美味しさをもっと多くの人に知ってもらうための取り組みは、これからさらに広がっていくことでしょう。
福島・会津の魅力を世界へ(JA会津よつば)
福島県会津地方の特産品を紹介するこちらのブースでは、地元のブランド米「天のつぶ」と地酒が展示されていました。ブースには地元愛が溢れ、訪れる人々に会津の魅力を熱心に伝える姿が印象的でした。
注目のブランド米「天のつぶ」は、従来のお米よりも粘りが少なく粒が大きいのが特徴。寿司や丼ものといった料理に特に適しており、香港やドバイの日本料理店でも高い評価を得ています。そのため、現地での輸出需要も年々拡大しているとのこと。
さらに、このブースでは会津の地酒も紹介されており、地元の豊かな自然が育んだお米と酒の組み合わせに注目が集まっていました。ブーススタッフは、「地元の魅力をもっと多くの人に知ってほしい」と語り、地元産品を世界に届ける意気込みを感じました。
会津地方ならではの品質と魅力を備えたお米とお酒は、国内外でさらなる支持を集める可能性を感じさせる展示内容でした。
日本の食の未来を世界へ
今回の展示会では、日本各地の企業が地元の特産品を手に、世界へ向けてその魅力を発信する姿が印象的でした。伝統に根ざしながらも、海外市場や多様な食文化に応える工夫が随所に見られ、日本の食品が持つ可能性を改めて感じさせる内容でした。
この展示会は、世界中のバイヤーや関係者が集まり、日本の食文化がどのように海外市場で評価されるのか、その最前線を体感できる絶好の機会です。会場では29日まで開催されています。地元愛に満ちた製品や、グローバルな挑戦を続ける企業のブースを実際に訪れ、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか?
地域の特産品が国境を越え、新たな市場で愛される未来を描くこのエキスポ。日本の食品業界が世界と繋がるこの動きを、ぜひ会場で直接感じてみてください。