去年8月、走行中のJR東海道線が傾いた電柱とぶつかった事故について、国の運輸安全委員会は電柱の内部が腐食したことにより折れたことが原因だとする調査結果を公表しました。
この事故は去年8月、神奈川県鎌倉市のJR大船駅構内で東海道線が走行中に線路側に傾いた電柱とぶつかり、乗客や運転士など合わせて5人がけがをしたものです。
国の運輸安全委員会はきょう、事故の原因などをまとめた調査結果を公表。それによりますと、傾いた電柱は事故発生前に風や地震などの影響で、架線から一時的に強い力で引っ張られ、電柱の根元部分にひび割れが起きていました。
そのひびから雨水が入り電柱の中の鉄筋が腐食したため、10本ある鉄筋のうち3本が折れたほか、1本の腐食が進んだ結果、衝突するおよそ3分半前に電柱が電車とぶつかる角度にまで傾いたということです。
また根元部分のひび割れは、線路に敷かれている小さな石に隠れた部分にあり、事故のおよそ1年2か月前に行われた定期検査では、発見できなかったとしています。
運輸安全委員会は、▼電柱の補強や建て替えなどの実施、▼検査方法の見直しなどの再発防止策が必要だとしています。