ニュージーランドの複数の街で、行方不明になった猫が体毛を刈られて戻ってくる事件が起きています。猫はトラウマになってしまい、飼い主は不安を隠せません。保護団体は安全のため猫を室内で飼うよう勧めています。
愛猫が毛を剃られた!
2024年10月にロスリンに住むLarissaさんとGregさんの飼い猫Boscoが行方不明になり、2人はとても心配しました。ペルシャとメインクーンの混血種のBoscoは、美しく長い毛が自慢です。
やがて自宅に戻ってきたBoscoでしたが、なんとお腹の毛が剃られていました。
しかもそのあと再び姿を消してしまい、24時間以上たってから戻ってきたときには、頭から背中にかけて「たてがみ」のようにカットされたうえ、全体の体毛も短く切られていました。まるで別の猫のようです。
よほど怖い思いをしたのでしょう。Boscoはこれまでの落ち着いた態度をガラリと変え、すっかり臆病で神経質な性格になってしまいました。
「うちではペット用のバリカンを使う際、だれかに抱っこしてもらって刈るのですが、Boscoはとてもいやがります。だから2度もこんな目にあったのは、ひどいトラウマだったと思います。鎮静剤か何かを与えられたのでなければいいのですが」と心配そうなLarissaさんです。
同様の事件はほかにも
夫婦はこの事件について獣医に相談し、Facebookにも投稿しました。実は「飼い猫がしばらく姿を消し、毛の一部を剃られて家に帰ってきた」という同様の事例がほかにもネットに投稿されていたのです。
パーマストンノースに住むShannynさんもそんな一人です。
彼女の飼い猫Hissyは白の短毛種です。過去半年の間に何度か行方不明になり、そのたびに10から30センチくらいの幅の体毛を剃られて帰ってきました。ShannynさんはHissyの体がキズつけられることを心配しています。
「剃られた部分から血を流して帰ってくることもありました。皮膚にキズがついたのです。うちの猫は人見知りで、知らない人には決して近づいたりしません。剃られてくるたびに、Hissyはショック状態で家の中にこもってしまいます」
そこでShannynさんはGPS装置付きの首輪をHissyにつけ、犯人を突き止めようとしました。しかし、ある日戻ってきたとき、首輪は外されてしまっていたのです。
「剃られる事件は6ヵ月ほど続き、数日から数週間に1回の割合で起きました」という彼女です。
あるときは猫のお尻の周りの毛がすっかり剃られていたため、「お宅の猫も剃られる被害にあっていますか?」と近所の家々を訪ねて回ったほどです。近所ではだれも被害を受けておらず、その後はHissyも無事のようです。
「いったい誰が、どんな理由でやっているのでしょうか。体の側面の毛ならともかく、下半身の毛は体を守る大事な役目をしているので、とても怖いです」と不安顔のShannynさんです。
猫を守るために「室内飼い」を
SPCA(動物虐待防止協会)の科学担当官Alison Vaughan博士は、Palmerston Northでの事件の報告を受けて現在調査中だと話しています。
「毛を剃ることで猫の健康に影響が出る可能性があります。捕まえられて拘束され、バリカンの騒音で毛を剃られる体験は、猫にとってたいへんな苦痛です。乱暴な行為で猫がケガをする危険もあります」と話す彼女です。
そのうえで彼女は「毛を剃られたと思われる猫の飼い主は、ケガをしていないか獣医に診てもらうべきです。猫は痛みを隠すことがあるからです。飼い主のみなさんには、このような被害にあわないよう室内飼いを検討するようお勧めします」と述べています。
出典:Phantom cat barber? Palmy pet owners left mystified by cat-shaving incidents
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