励ましの意味でも季節的な意味でも使用される言葉、それが「暑さも寒さも彼岸まで」です。
しかし、ここで言う「彼岸」とは具体的にどのような時期までを意味するのでしょうか?
今回はそんな「暑さも寒さも彼岸まで」について解説します。
「暑さも寒さも彼岸まで」とは
ここでは「暑さも寒さも彼岸まで」の意味を解説します。
「暑さも寒さも彼岸まで」の意味
「暑さも寒さも彼岸まで」はどんなにつらいことでもいずれ時期が来れば自然と去っていくということを意味することわざです。
ここでの「暑さ・寒さ」は「つらいこと」を指しています。
確かに強烈な暑さや寒さが続くと毎日の生活も大変です。
しかし、その暑さや寒さでさえ時期が来れば去っていきます。
転じて、どんなつらいこともいずれ時期が来て去っていくということを意味するようになったとされています。
慣用句としての「暑さも寒さも彼岸まで」
慣用句の「暑さも寒さも彼岸まで」は、残暑は秋の彼岸までに治まり余寒は春の彼岸までに和らぐのでそれ以降は過ごしやすくなるという意味の言葉です。
夏の暑さも冬の暑さも彼岸を迎えればしのぎやすくなることを指します。
実際に夏や冬の厳しい気候はいつまでも続くということはありません。
異常な暑さも寒さもやがては和らいで過ごしやすくなる時期が来ます。
このように、ある意味厳しい自然環境に対する励ましの意味も込められているのが「暑さも寒さも彼岸まで」です。
「彼岸」とは
ここからは「暑さも寒さも彼岸まで」に含まれている「彼岸」について解説します。
年2回ある「彼岸」
暑さと寒さが和らぐとされる「彼岸」は年2回あります。
その時期としては秋と春に訪れるとされています。
要は夏の終わりと冬の終わり、その季節の境目に訪れるのが「彼岸」です。
しかし、具体的に暑さと寒さの終わりはいつ頃なのでしょうか。
暑さの終わりは「秋分」?
暑さの終わりはおおよそ「秋分」の頃とされています。
秋の「彼岸」は秋分の日(9月23日頃)の前後3日を合わせた1週間を指します。
この時期には夏の暑さも次第に和らぎ、過ごしやすくなってくるのが特徴です。
ただし、秋分は北海道・本州・四国・九州・沖縄など地域によって時期が異なるため気を付けましょう。
寒さの終わりは「春分」?
寒さの終わりはおおよそ「春分」の頃とされています。
春の「彼岸」は春分の日(3月21日頃)の前後3日を合わせた1週間を指します。
この時期には冬の寒さも徐々に和らぎ、過ごしやすくなってくるのが特徴です。
ただし、春分も北海道・本州・四国・九州・沖縄など地域によって時期が違うので注意しましょう。
慣用句「暑さも寒さも彼岸まで」の類義語
ここからは慣用句としての「暑さも寒さも彼岸まで」の類義語を紹介します。
禍福は糾える縄の如し
「禍福は糾える縄の如し」は災禍と幸福は糾った(縒り合わせた)縄のように表裏一体であることを例えたことわざです。
現に幸せなことがあれば不幸せなこともあるのが人生です。
その幸不幸にいちいち一喜一憂していても仕方ありません。
転じて、つらいこともやがて終わるという意味で使用されます。
その点が「暑さも寒さも彼岸まで」に通ずるのではないでしょうか。
人間万事塞翁が馬
「人間万事塞翁が馬」は不運に思えたことが幸運につながったり、その逆だったりすることを例えたことわざです。
現に運の良し悪しは容易に判断することなどできません。
不運な出来事も幸運な出来事につながるかもしれません。
その逆もまた然りといえるのではないでしょうか。
転じて、つらいこともやがて終わるという意味で使用されることがあります。
その点が「暑さも寒さも彼岸まで」と似ているのではないでしょうか。
まとめ
「暑さも寒さも彼岸まで」はつらいこともいずれは終わりがやってくるということを意味する言葉です。
ここで言う暑さや寒さが「つらいこと」を意味します。
ただし、その暑さ・寒さも彼岸を迎える頃には和らぎます。
転じて、どんなにつらいこともいずれは過ぎ去っていくという意味で使用されるのが「暑さも寒さも彼岸まで」です。
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