ペットホテルで火災が発生。泊まっていた猫が逃げ出し、行方不明になってしまいました。スタッフや飼い主、地元住民が協力して捜索した結果、「フライドチキン」を仕掛けた罠に入った猫を無事確保することができました。
ペットホテルで火災が発生
2024年11月、ニュージーランドの首都ウェリントンにある動物病院と猫用ペットホテルの複合施設「CareVets Kilbirnie」で火災が発生しました。
火災が起きたのは土曜日の夜で、このときペットホテルにいた猫数匹が逃げ出して行方不明になってしまいました。
市内在住のLivさんとAlexさん夫婦は、自宅のリフォーム工事のため愛猫「Beans」と「Loki」を6週間ペットホテルに預けており、翌週引き取る予定でした。ところが…。
「日曜日の朝ペットホテルのマネージャーからメッセージがあり、その前の晩に火事があって、うちの2匹の猫は診察のため獣医クリニックに移されたということでした」
「ところがその後また電話がきて、『実は2匹について取り違えがあって、火事騒ぎでBeansが行方不明になってしまった。消火作業中に数匹の猫が逃げ出しており、まだ見つかっていない』というのです。ショックでした」と話すLivさんです。
捜索するも発見できず
夫婦はすぐに現場にかけつけ、焼け跡の周辺を探し回りました。しかし、Beansは見つかりません。
そこで保護団体「Feral Nation Rescue」を運営するJodyさんの協力で、LivさんはSNS上に地元の人々からの目撃情報を集めるページを設けました。
「このことを知って協力してくれた地域のみなさんに感謝しています。月曜日の朝に、多くの人々が猫を探そうとしてくれたのです」というLivさんですが、必死に探し回ってもBeansは見つかりませんでした。
「火事に巻き込まれて亡くなってしまったのでは」と最悪のシナリオまで覚悟した夫婦でした。
フライドチキンの香りにつられて
しかし、不安はすぐに喜びに変わりました。
ペットホテルのマネージャーから「Beansが見つかった。獣医の診察を受けている」という不在着信があったのです。
「CareVets Kilbirnieのスタッフが駐車場に設置した罠のひとつに、Beansが入り込んでいたそうです。捜索に当たった保護団体のボランティアが、猫を誘うためにフライドチキンを罠の中に入れておいたそうで、それが功を奏したみたいです。だれだってフライドチキンのおいしそうな香りにはつられますからね」とうれしそうなLivさんです。
さっそく夫妻は病院でBeansに再会しました。
「元気だなんて信じられませんでした。再会したときはとても感動しましたね。最悪の事態を考えていて、もし亡くなっていたら別れを告げることもできず、そばにいることさえできなかったことに罪悪感を感じていたのですから」とLivさんは語っています。
関係者や地域の協力に感謝
夫妻はペットホテルのマネージャーやCareVets Kilbirnieのスタッフの努力、保護団体の尽力や地域の人々の支援に感謝しています。
「Beansは診察を受け、いまは元気です。少し呼吸が荒いものの、薬を投与されてトラウマからも回復したようです。これから煙の臭いを洗い流すためにお風呂に入れるので、すごく嫌がるでしょうね」
火災の夜に建物から逃げ出したのは全部で4匹の猫ですが、そのうち2匹はまだ見つかっていません。消防署と救急隊は火災の原因を調査中です。
出典:Missing cat Beans found after fire at Wellington CareVets clinic and cattery
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