日本に多い『尾曲がり猫』のルーツはインドネシアだった!

2024-12-22 12:00

日本猫の特徴は、先の曲がったしっぽや丸まったしっぽ、途中で切れたような短いしっぽです。これらのしっぽを持つ猫を総称して『尾曲がり猫』といいます。残念ながら洋猫との混血が進んでしまい、現在はそれほど目立って多いとは言えなくなってきました。それでも、一部の地域ではまだ多くの尾曲がり猫が見られます。今回は、日本の尾曲がり猫のルーツを探ってみました。

日本に多い尾曲がり猫

短尾

日本の猫をベースに作出されたジャパニーズ・ボブテイルの特徴は、短いしっぽです。

途中で切れてしまったように見える「短尾」や、先端が折れ曲がった「曲がりしっぽ」、カールしたポンポンのような「団子しっぽ」の3種類に分けられます。

この様な短いしっぽを持つ猫達は、尾曲がり猫と呼ばれています。

特に「曲がりしっぽ」は、カギのような形状から幸せを引っ掛けてくる縁起の良い猫だといわれたりもしています。

インドからヨーロッパ大陸にかけてやアメリカ大陸には、尾曲がり猫はほとんど見られません。

ところが、かつて日本には尾曲がり猫がよく見られました。

1975年から数十年にわたり行われた京都大学の故・野澤謙氏の調査では、全国平均で約40%の猫が尾曲がり猫だったということです。

実は日本にも、室町時代以前には尾曲がり猫がいた形跡がありません。

江戸時代に入り、突然浮世絵で尾曲がり猫がたくさん描かれるようになったことから、江戸時代になってから、日本に尾曲がり猫が入ってきたのではないかと考えられています。

尾曲がり猫の多い地域

長崎出島ワーフ

先にご紹介した故・野澤謙氏の調査によると、日本国内でも、尾曲がり猫の特に多い地域があることが分かったといいます。

最も尾曲がり猫の多かった地域は、長崎県の79.0%でした。次いで鹿児島県の73.9%、宮崎県の62.7%、熊本県の62.5%と続きます。

長崎県には、その後長崎尾曲がりネコ学会(現長崎ネコ学会)という団体ができ、長崎県内の尾曲がり猫の調査や尾曲がり猫を中心とした町おこしを行っています。

この団体が2009年に行った調査でも、長崎県内の猫の内、74.7%という高い率で尾曲がり猫が存在していたそうです。

また、長崎県では古くから尾曲がり猫がたくさんいるため、地元の方の中には、しっぽが真っ直ぐな猫は珍しい海外の猫だと思っている方もおられるようです。

日本に尾曲がり猫が増えた理由

曲がりしっぽ

猫の遺伝研究は進められているものの、まだわからない部分も多く残っています。

その中でも、尾曲がり猫に関しては2つの遺伝子が関係していることが分かっています。

1つは「T-Box」遺伝子の変異で、これはマンクスという猫種に特有の遺伝子変異です。

もう1つが「HES7」遺伝子の変異です。長崎の尾曲がり猫は、「HES7」の遺伝子変異をもっていることが分かっています。

実は、「HES7」の遺伝子変異による尾曲がり猫の原産地はインドネシアやマレーシア周辺などの、東南アジアや中国南部の地域だということが分かりました。

実際にインドネシアやタイでは、地域によっては60%以上が尾曲がり猫だという報告もあるようです。

そして、このインドネシアと長崎県には、江戸時代に深いつながりがあったのです。

日本の猫の歴史

猫又

江戸時代と言えば日本は鎖国をしており、諸外国との関係は封鎖されていました。

しかし、それにも例外があったのです。長崎県の出島を拠点とし、オランダとの貿易が盛んに行われていたのです。

このオランダとの貿易を担っていた東インド会社のアジア支店がインドネシアにあったのです。

当時は、船の積荷をかじるネズミの駆除のために、船に猫を乗せる習慣がありました。

中継地だったインドネシアを出向した船に乗った尾曲がり猫が出島に上陸して長崎県に定着し、さらに日本全国に広まっていったのだろうというのが、現在の定説になっています。

さらに、江戸時代には「猫又」伝説がありました。

年老いた猫は、しっぽが2つに分かれて「猫又」という妖怪になるというものです。

この猫又をおそれた江戸の人々は、短いしっぽの尾曲がり猫を好んで積極的に繁殖をした結果、日本には尾曲がり猫が多くなったという説もあります。

洋猫ブームの影響

洋猫

しかしその後、日本には「洋猫ブーム」が巻き起こります。シャム猫やペルシャ猫がもてはやされたのです。

その後も、アメリカンショートヘアがブームになるなど、数多くの洋猫が日本に持ち込まれました。

そして当時の慣習に倣って放し飼いされることが多かったため、現在日本にいる猫にはかなり洋猫の血統が混ざり込み、長崎県などの特殊な地域を除くと尾曲がり猫はかつてよりも減少してきているのが実情のようです。

長崎県では、前述の長崎ネコ学会や自治体が協力して、尾曲がり猫を中心に町おこしに成功しているようです。

街を歩くと出会う猫のほとんどが尾曲がり猫、という旅も楽しいかもしれませんね。

まとめ

尾曲がり猫

日本猫(和猫)の特徴だといわれている尾曲がりですが、実は江戸時代から日本に入ってきたということが分かりました。

そして現在では洋猫との混血が進み、尾曲がり猫の数が減りつつあるといわれています。

そんな中でも、長崎県では数多く残っている尾曲がり猫を町おこしに上手に活用して、猫と人とが上手に共生しているようです。

もしも街で尾曲がり猫に出会ったら、猫たちが日本にやってきた歴史を思い出してみるのも、楽しいかもしれません。

関連記事

猫が『赤ちゃんの昼寝』に遭遇した結果…ドッキドキな様子が可愛すぎると悶絶する人続出「可愛くて涙でそう」「見守ってるのかな」の声
イタズラをして逃げた猫の様子に音を入れてみたら…ピッタリ合う動きが可愛すぎると194万再生「ハマりすぎてて可愛い」「目が物語ってる」
猫が顔の近くで寝る4つの理由と飼い主への信頼度
猫が飼い主に感謝している時にする10の仕草
猫が飼い主を舐めてくる時の理由とその気持ち

  1. “閉院した病院”で診察装い1.8億円をだまし取ったか 医師の男逮捕(44) 千葉・習志野市
  2. 【速報】千代田線が全線で運転見合わせ 午前8時10分再開見込み
  3. 【速報】東京メトロ・千代田線は全線で運転再開
  4. 『はい、すいません、起きます』ふと目が覚めると、2匹の犬が…絶対二度寝できない光景に3万いいね「めっちゃ圧で草」「観察されてるw」
  5. 滋賀・彦根で“顕著な大雪”発表 夕方にかけて雪が強まる見込み 大規模な交通障害のおそれ高まる 東海道新幹線にも影響
  6. 【速報】日経平均株価 一時1000円超高
  7. 『こんなに小さかった赤ちゃん犬が…』生後4ヶ月になった結果→あまりにも尊い成長の記録が10万再生「愛しいのかたまり」「毎日が貴重な時間」
  8. 「貿易赤字」5年連続も赤字幅は半減 半導体など輸出伸び輸出額は過去最大に “トランプ関税”でアメリカ向け輸出は5年ぶり減少 2025年貿易統計
  9. 滋賀県に「顕著な大雪情報」 彦根市で6時間に25センチの大雪
  10. 声優・木村昴の“のど”をみんなで守る! 応援が健康意識につながる参加型キャンペーン
  11. ホテルで『少女に性的暴行』、自宅で「生徒にわいせつ行為」、「女性教師に抱きつく」など… 計6人の教職員を処分
  12. トランプ大統領 22日にゼレンスキー大統領と会談へ 米特使とプーチン大統領も同日に会談へ