医療費が高額になった場合に患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」について、政府は自己負担額の上限を来年8月から段階的に引き上げることを決めました。
「高額療養費制度」は、手術や入院などで患者の支払う医療費が高額になった場合に、年齢や所得に応じて決められた毎月の上限額を超えた分が払い戻される仕組みです。
来年度予算案の編成に向け、加藤財務大臣と福岡厚労大臣がきょう、詰めの協議を行い、現役世代の保険料の負担を抑えるため、上限額を段階的に引き上げることで合意しました。
例えば、70歳未満で年収およそ370万円~770万円の人では、来年8月から上限額がおよそ8100円引き上げられ、月8万8200円ほどとなります。
再来年8月以降は、年収の区分を細分化したうえで、所得に応じて上限額を段階的に引き上げ、最終的には▼年収370万円~510万円の人で月8万8200円、▼年収510万円~650万円の人で月11万3400円、▼年収650万円~770万円の人で月13万8600円まで自己負担の上限が引き上げられます。
福岡厚生労働大臣はきょうの会見で、「高額療養費制度のセーフティーネットとしての役割を維持しながらも、現役世代を含めた被保険者の保険料負担の軽減を図る」と引き上げの意図を説明しました。