“ロシア軍地対空ミサイルの誤射”か　カザフスタンで旅客機墜落38人死亡　機体には複数の小さな穴　「防空システム」によってできた可能性が

中央アジア・カザフスタンで38人が死亡した旅客機墜落の原因について、“ロシア軍の地対空ミサイルの誤射”とする新たな見方が出てきました。

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墜落前の機内の様子とされる映像。窓から見える翼が損傷しているのがわかります。カザフスタンで25日、アゼルバイジャン航空の旅客機が墜落し38人が死亡した際のものですが、なぜ、旅客機は墜落したのでしょうか?

当初、ロシア国営のタス通信は、航空会社の情報として鳥の群れとの衝突=「バードストライク」の可能性があると報じました。

しかし、墜落後の機体には複数の小さな穴が･･･。

専門家は、この穴について、「防空システム」によってできた可能性が高いと指摘しました。

東大先端科学技術研究センター　小泉悠准教授
「防空システムって飛行機とかミサイルとか高速のものを撃ち落とすものですから、直撃を狙うのではなくて、破片をまき散らして、巻き散らした破片のどれかに当たって目標が壊れるシステム」

26日にはヨーロッパのニュース専門放送局が、アゼルバイジャン政府筋の話としてこう伝えました。

「ユーロニュース」（アゼルバイジャン政府筋）
「墜落の原因は、ロシア軍の地対空ミサイルの誤射」 

旅客機はロシア南部チェチェン共和国に向かっていましたが、付近では当時、ウクライナ軍によるドローン攻撃があり、迎撃しようとした“ロシア軍が誤ってミサイルを発射した”というのです。

専門家も、その可能性は「大いにありうる」と言います。

東大先端科学技術研究センター　小泉悠准教授
「ここ最近、ウクライナ側はチェチェンに対するドローン攻撃を強化していましたし、ウクライナのドローン攻撃に対して、（ロシアが）非常にピリピリしていたという可能性」

その上で、ドローンに対する迎撃が行われている空域に、「なぜアゼルバイジャン機が入ることができたのか」が疑問だと指摘しました。

現地では、飛行記録を収めた“ブラックボックス”の解析が進められています。