東京女子医科大学の元理事長の女が、キャンパスの新校舎の建設費用をめぐり大学に損害を与えたとして逮捕されました。家宅捜索から10か月後の逮捕、どのような経緯があったのでしょうか。
【動画】「岩本絹子容疑者は道を大きく踏み外した」捜査幹部が厳しく批判 容疑者が東京女子医大の副理事長就任後に設置した「経営統括部」が一強体制の始まりか
捜査幹部によると、警視庁は家宅捜索に入った容疑のほか、大学の第三者委員会の報告書や報道で指摘されていた問題について、「捜査二課の総力をあげ、徹底的に調べ上げた」と話しています。その結果、今回の容疑について証拠が固まったことから逮捕に至りました。
捜査幹部は「岩本容疑者は内外に多大な影響力を持っていた。権力を持つのは悪ではないが、組織のために正しく行使しなければならず、今回、岩本容疑者はこの道を大きく踏み外した」と厳しい言葉で批判しました。
(Q.岩本容疑者はどのような人物だったのでしょうか?)
大学の関係者や第三者委員会の報告書によると、岩本容疑者はコロナ禍などで徹底的な経費削減を進める一方で、自身への報酬については継続的に増額していました。これについて、第三者委員会は「金銭に対する強い執着心が見受けられる」と批判していました。
さらに、第三者委員会は岩本容疑者が周辺を自らの側近で固め、反発する人がいると人事異動させるとも指摘、複数の関係者が取材に対し「独裁的」だったと証言しています。
関係者によると、岩本容疑者の「一強体制」は、東京女子医大が医療事故による補助金減額で赤字に陥った2014年に副理事長に就任し「経営統括部」という部署を創設したことがきっかけだったということです。ここには、人事や大学施設の決裁権など幅広い権限が集中していて、岩本容疑者を刑事告発した女性はこう話しました。
岩本容疑者を刑事告発した至誠会のメンバー
「大変、独裁的であると、独裁的であると思います。(2014年に)副理事長になられ、ご自身で経営統括部というものを設立されて、いろんな権力というか、ものであったり人事であったりとか、そういったものを自分たちが監視するという機構をつくられた。岩本先生が言ったことに対しては、おそらくノーと言えないんだなと」