犬の病気の中でも特に多いと言われるのが「皮膚病」です。強いかゆみが出ると、自ら皮膚を傷つけ更なる皮膚トラブルを引き起こす危険性もあるため注意が必要です。今回は、特に気を付けなければならない「皮膚が弱い」犬種について解説していきます。
1.柴犬
日本で人気の高い柴犬ですが、実は肌が弱くアトピー性皮膚炎になりやすい犬種です。
これは体質的なもので、1歳を過ぎてから発症するケースが多く、一度発症してしまうとずっと付き合っていかなければなりません。
アトピー性皮膚炎の他にも、食物アレルギーや膿皮症(のうひしょう)にもかかりやすいと言われています。
体を何度も掻いたりこすったりする、赤みやフケが出ている、かさぶたができているといった症状がみられる場合は動物病院へ連れて行くようにしましょう。
2.フレンチブルドッグ
フレンチブルドッグは短毛なので、他の犬種よりも皮膚に刺激を受けやすい体をしています。
皮膚を外部の刺激から守るために皮脂を多めに出すことで体を守っているのですが、この皮脂に汚れが付くことで炎症や悪臭の原因にもなっているようです。
また、フレンチブルドッグの特徴である「鼻ぺちゃ顔」によってできる皮膚のたるみは、雑菌が繁殖しやすく炎症の原因となります。
ただし、短毛ゆえに皮膚の状態を目視で確認できるため、肌荒れや湿疹などを早期に発見することができるため重症化する前に治療できる子も多いようです。
フレンチブルドッグは皮脂やたるみの汚れを取るためにも定期的なシャンプーは必須です。しかし、洗浄成分の強すぎるシャンプーを使ったり、何度も繰り返しシャンプーしてしまうと必要な皮脂を洗い流してしまいかえって肌荒れしてしまう原因になってしまいます。
洗いすぎやすすぎ残しのないように、丁寧にシャンプーするようにしましょう。
3.ゴールデン・レトリバー
ゴールデン・レトリバーも体質的に皮膚の弱い犬種だと言われています。
アトピー性皮膚炎や膿皮症にかかりやすく、赤い発疹やフケが出やすいようです。膿皮症は高温多湿の夏季に起こりやすい病気ですが、冬場でも温かい室内で加湿器を使用している場合にも症状が出ることがあります。
ゴールデン・レトリバーは長毛種のため、ブラッシングをして毛量を減らし通気性をよくすることで膿皮症を予防することができます。
シャンプーをするときも低刺激のものを選ぶようにし、しっかりと乾燥させてあげるようにしましょう。
4.シーズー
シーズーはもともと中国の乾燥した地域で生まれた犬種なので、皮脂の多い犬種です。そのため、湿度の高い日本の気候ではその皮脂が過剰になってしまい皮膚トラブルを引き起こします。
また、シーズーは短頭種に分類されるため、顔の周りにしわができ、そこに汚れが溜まりやすくなります。眼性疾患も多く、目ヤニや涙が原因の皮膚トラブルにも注意が必要です。
皮脂が過剰に分泌されることで皮脂バランスが乱れ、脂漏症(しろうしょう)になりやすいのが特徴です。
毛がべたつき、フケが出やすくなるだけでなく、悪化するとアトピー性皮膚炎を引き起こすこともあります。
定期的なシャンプーをすることだけでなく、食事のバランスにも気を配るようにしましょう。
5.ダルメシアン
ダルメシアンも皮膚が弱い犬種で「ダルメシアン・ブロンズ症候群」という特有の疾患を発症することがあります。
ストレスやアレルギー、温度や湿度などの環境が主な原因で、「かゆみ」「化膿」「脱毛」「毛の変色」などの症状が見られるようです。
頭部や首の下、脇腹、背中などに発疹が現れ、抗生物質の投与治療が必要になります。
6.ウエストハイランドホワイトテリア
ウエストハイランドホワイトテリアは、アトピー性皮膚炎やマラセチア性皮膚炎にかかりやすいと言われる犬種です。
他にも、ほこりや花粉、食物などのアレルギー性皮膚炎や脂漏症にもかかりやすいため、日常的なケアが必要になります。
これらの皮膚疾患は一度発症してしまうと根治することが難しく、生涯付き合っていく覚悟が必要になる病気です。
発症を防ぐために、正しいシャンプーとブラッシング、食事管理などを徹底するようにしましょう。
まとめ
皮膚が弱い犬種を守るために、常に「清潔な状態を保つ」ということが非常に重要となります。
愛犬の体をケアするのはもちろんですが、毎日使用するベッドやブランケットなどもこまめに洗い、部屋の空気も定期的に入れ替えるようにしてください。
また、温度と湿度の管理も大切です。夏場はもちろんですが、冬場にも加湿器などで湿度が高くなりすぎないように気を付けるようにしましょうね。
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