JR長野駅前で男女3人が刃物で襲われた事件。容疑者は現在も逃走中ですが、容疑者とみられる男の新たな写真が公開されました。
なぜ犯行1時間前から駅に?
南波雅俊キャスター:
22日、JR長野駅前で3人が殺傷された事件について、警察は通り魔の可能性があるとして、いまも男の行方を追っています。
24日、容疑者と思われる男の画像が新たに公開されました。
これまで公開されていたのは、事件後に走っているような動きだったため、鮮明な画像ではありませんでしたが、より鮮明な画像が公開されました。
【事件の約20分前に撮影された画像】
・20代~40代
・身長170cm前後
・中肉か細身
・頭に布のようなもの
・めがね着用
・ジャンパー・長ズボン
・白色系の手袋
犯行の約1時間前に、百貨店近くの防犯カメラによく似た男が映っていました。
さらにその後、JR長野駅構内の改札前のカメラでも確認されています。犯行後は西へ逃げたのではないかとみられています。
1時間前から現場近くにいたということですが、犯罪心理学に詳しい新潟青陵大学の碓井真史教授は 「彼にとっての、日常の恰好。リスクなどは考えず、とにかく確実なタイミングで、やり遂げることだけを考えていたのでは」と話します。
元埼玉県警本部捜査第一課 佐々木成三さん:
注目すべきポイントは、警察がかなりの捜査員を導入し、リレー式の防犯カメラの捜査を重点的に行っている点です。
1時間の滞在の前はどういった行動をしているのか、“逆リレー式”の捜査は、かなり容疑者の特定において重要になってくると思います。
ドライブレコーダーは、住民の方からの任意的な提出が必要になってきます。事件のあった時間帯に駅の周辺を走っていたドライブレコーダーを持っている方は、警察に提出していただきたいと思います。
警察官100人派遣 “異例の規模”
南波キャスター:
捜査も“異例の態勢”をとっています。
長野県警は、設置した捜査本部で220人態勢での捜査を行っています。さらに、警察庁が10都県から警察官約100人を派遣し、警戒を強化しています。
佐々木さんは、これを“異例の警戒態勢”とみています。「かなり規模は大きい。駅前で通行人が多く防犯カメラが多い。約1時間駅周辺にいたため聞き込みの対象も多い」とのことです。
捜査本部220人というのは、事件規模で考えるとどのようなものなのでしょうか?
元埼玉県警本部捜査第一課 佐々木成三さん:
埼玉県警の警察官の数は1万2000人で、捜査本部が200人態勢だとかなり規模は大きくなります。長野県警だと大体3000人くらいなので、分母から考えても、長野県警の本気度を示しています。
何より、警察庁が10都県から警察官100人を派遣して捜査以外でも防犯においてパトロールを強化するということは、警察がかなり本気を出していると思います。
南波キャスター:
周辺住民にも不安が広がっています。
長野市の教育委員会は、不安を理由に休んでも欠席としない対応をし、24日は8%にあたる約2000人が学校を休みました。
小学校の教頭は「不安を感じている子供がたくさんいるなと感じる」と話します。
市内の小学校でも、通学の際に可能な範囲で保護者の付き添いを求めていて、ほとんどの児童が保護者と登校しています。
もし、通り魔に遭遇したら「重い・かさばる荷物は捨てる」「とにかくすぐ離れる」
もし、通り魔に遭遇してしまったら、
・とにかくすぐその場から離れる
・建物の中に避難
・重い・かさばる荷物は捨てる
→お子さんがいる家庭はランドセルを置いて逃げることを教える
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
現状、足取りがまだわかっていないので、長野県内の隣の市や県外に逃れている可能性もあります。心のどこかに、注意の気持ちを持っておくことを意識した方がいいかもしれないですね。
日比キャスター:
今後、どのように捜査は進んでいくでしょうか?
元埼玉県警本部捜査第一課 佐々木成三さん:
公開された動画・静止画を多くの方に関心を持って見てもらいたいです。自分の命を守るために、こういった人物に近づかないことが大事です。
そのほかにも、防犯カメラをリレー式で(追い)、容疑者がどのような順番で現場に来ているのか、明らかにするには住民からの目撃情報も必要になってきます。ぜひ警察に提供していただきたいと思います。
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<プロフィール>
佐々木成三さん
元埼玉県警本部捜査第一課
現役時代はサイバー捜査の導入に着手
今村翔吾さん
「塞王の楯」で第166回直木賞受賞
歴史・時代小説家 30歳までダンス講師