「そう簡単に不足は解消しない」備蓄米放出も…米どころ新潟も“米不足” いつ収束?「令和の米騒動」米騒動【サンデーモーニング】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-03-16 16:45

私たちの生活に欠かせない米。3月10日(月)政府備蓄米の入札が始まりましたが、価格の高騰は今も続いています。米どころ・新潟を取材しました。

【写真で見る】“米どころ”新潟でさえも不足…1か月半ぶりにやっと棚が埋まった米売り場

「どこもこの時期(米が)手に入らないみたいで…やばいよ」

14日(金)サンデーモーニングが取材に向かったのは新潟県。

杉浦みずきキャスター
「米どころでも、価格高騰に悲鳴を上げているというのです」

新潟・西区のスーパー「いちまん」ではこの日、かき集めた米で、1か月半ぶりに棚が埋まったそうです。

スーパー「いちまん」 高井栄二朗 代表
「こちらが米売り場です」

杉浦キャスター
「早速コシヒカリが売り切れていますね。倉庫とかにも残っていない?」

スーパー「いちまん」 高井栄二朗 代表
「残ってないです。このまま米が(店から)無くなるんじゃないかという危機感しかなかった」

全国の小売り店や家庭を直撃している“令和の米騒動”。コシヒカリの小売価格は2024年夏ごろから高騰し、2025年2月には5キロで4300円を超えました。

打開策として、政府は備蓄米の放出を決定。まず、約14万トンが落札されました。

その備蓄米を手に入れようと、このスーパーでも取引のあるすべての卸業者に問い合わせ、なんとか入手の見通しがつくはずでしたが…

スーパー「いちまん」 高井栄二朗 代表
「(電話越しに)えー?そうなの?ぐちゃぐちゃなんだね」

杉浦キャスター
「電話のお相手は…?」

スーパー「いちまん」 高井栄二朗 代表
「お米の問屋さんなんですけど、問屋さんの割り振りがあって、まるっきりまだ読めない状態。一番上の入札した人が米を手に入れたのは分かったみたい。そこだけ」

実は、今回の備蓄米を落札できたのはJAなど大手の集荷業者のみ。そこから卸業者に割り振られ、大手スーパーなどに流通するとみられますが、中小規模の店舗にはいつ、どのくらい回ってくるか分からないというのです。

スーパー「いちまん」 高井栄二朗 代表
「どこもこの時期手に入らないみたいで…やばいよ」

困り果てたこちらのスーパーでは、ある“非常手段”も試みたといいます。

備蓄米の放出で価格は下がる? 専門家は「限定的な効果」と指摘

ようやく放出される備蓄米さえ入手のめどが立たないというスーパー。ワラにもすがる思いで探しているのが…

スーパー「いちまん」 高井栄二朗 代表
「輸入米も探してみたんですけど、どこもこの時期手に入らない」

杉浦キャスター
「新潟県ですら、輸入米に頼らざるを得ないというのは衝撃だと思いました」

備蓄米の放出によって、“流通の目詰まりが解消”するというのが政府の見立てでしたが…

スーパー「いちまん」 高井栄二朗 代表
「備蓄米を放出することによって供給量が安定して、足りなくなることはないという言い方を(政府は)していたと思うが、本当なのかなって」

加えて気になるのは、備蓄米の放出で価格が下がるかどうかです。

14日に発表された備蓄米の落札価格は、玄米60キロあたり平均で2万1217円。1月の取引価格と比べると、4000円あまり下がっています。

店頭での価格も下がるのでしょうか。江藤拓農水大臣は14日、次のように語りました。

江藤拓 農水大臣
「現在、店頭価格が(5キロ)4300円ぐらいで推移していることから考えると、それよりかなり低い精米価格(店頭価格)になるだろうということはご理解いただけると思います」

「そう簡単に米の絶対的な不足は解消しない」専門家が指摘

ところが、専門家はこう指摘します。

東京大学大学院(農業経済学) 鈴木宣弘 特任教授
「一時的に価格が下がったとしても限定的な効果であって、そう簡単に米の絶対的な不足は解消しない

問題の根本は、米の生産量が減りすぎたことにあるといいます。

東京大学大学院(農業経済学) 鈴木宣弘 特任教授
「そもそも米の生産現場が疲弊して、米が作れない状況になっている。政府も“米を作るな”とどんどん減らしてきた。そこに猛暑やインバウンド需要の増加というきっかけがあって、ここまでの米騒動に発展してしまった」

⻑年続いた減反など、米の生産を減らす“国策”が背景にあるとの指摘。令和の米騒動は、どうすれば収束するのでしょうか。

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