“強力な物価高対策”めぐり…与党トップが揃って謝罪、星浩さん「建前と本音が交錯している状況」【Nスタ解説】
新年度予算案が審議されている最中に降って湧いた“強力な物価高対策”を打ち出す方針。ところが、きょうになって、与党のトップが揃って謝罪する事態となりました。
【写真で見る】「お米券でも配るのかな」石破総理VS辻元代表代行
総理 “物価高対策”めぐり陳謝
きょう、公明党が開いた幹部の会合。終了後に赤羽副代表は、斉藤代表からこんな発言があったと明かしました。
公明党 赤羽一嘉 副代表
「コメントがちょっと針小棒大にというか、伝えられた結果ね。謝罪というか、ご迷惑をおかけしましたと」
きっかけは、おととい、斉藤氏が石破総理と会談した際、新年度予算案の成立後に“強力な物価高対策”を打ち出す考えを伝えられたと明かしたことでした。
参議院で予算案の審議が大詰めを迎える中、突如、浮上した追加の経済対策案。これには与野党から「参議院を軽視している」と批判が相次ぎ、石破総理もきょう、謝罪に追い込まれました。
石破総理
「私の発言によりまして、参議院予算委員会の審議中にご心配・ご迷惑をおかけする形となりましたこと、申し訳なく思います」
野党側は今審議している予算案が不十分ならば、修正するべきだと迫ります。
立憲民主党 辻元清美 代表代行
「いま審議してる予算は、強力じゃなくて無力なのかと。言うんだったら予算委員会の最中に提案をして、予算修正などすればいいじゃないか」
石破総理
「食料品の高騰あるいは燃料費の高騰等々に、どのように対応するのかということについての予算とは関係ない分野におきましても 、色々な対応は可能なことでございます。そういうことも含めまして申し上げたもの」
さらに、総理が新人議員に渡した商品券を引き合いに…
立憲民主党 辻元清美 代表代行
「この米価高騰対策、10万円の商品券配ったからね、強力な物価対策、お米券でも配るのかなと」
浮上してからわずか2日で消えた物価高対策の話。これには与党内からもため息が聞こえてきます。
自民・重鎮議員(参院)
「野党に攻撃材料を無条件で与えているようなもんだ」
与党幹部
「予算案が通る前で、ずっこけそうになったよ」
予算案の月内成立に向けた与野党の駆け引きは“ヤマ場”を迎えています。
野党側は予算案採決に向けた条件として、自民党の安倍派幹部の国会招致などを改めて要求。
与野党はあすも対応を協議する方針で、ぎりぎりの神経戦が続いています。
予算案審議中に「追加の経済対策案」なぜ?
井上貴博キャスター:
参議院で予算案の審議をしているときに不適切ではないかということになるわけですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
政治の世界によくある建前と本音の話です。建前では今の予算案がベストだと思って出しているわけで、審議中に次の対策の云々をするのは不見識だということです。
しかし現実には、来週には予算案が通り、参議院選挙もあるので景気対策を行う話が進行しています。
物価高対策や、おそらく就職氷河期対策のようなことも打ち出し、4〜5月に補正予算を出して参議院選挙を迎えようというのが本音の部分です。
今、その建前と本音が交錯している状況だと思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年