死と隣り合わせで生きるガザ市民の姿を伝える…マンスールさんが“遺した言葉”とは【サンデーモーニング】

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2025-03-30 17:58
死と隣り合わせで生きるガザ市民の姿を伝える…マンスールさんが“遺した言葉”とは【サンデーモーニング】

停戦合意が破られ、イスラエルによる大規模な攻撃が再開されたガザ。その最中、番組に向けて幾度とガザの惨状を伝えてくれていたジャーナリストが命を落としました。

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ガザの惨状を伝え続けてくれたジャーナリスト・マンスールさんの死

2025年、イスラエル占領下のパレスチナ人の現状を描いたドキュメンタリー映画で、アカデミー賞・長篇ドキュメンタリー映画賞を受賞した、ハムダン・バラール共同監督。

3月24日、ヨルダン川西岸地区でイスラエルの入植者から石を投げつけられ、車から引きずり降ろされました。その後、イスラエル兵に拘束され、暴行を受けたといいます。

パレスチナの過酷な現実を世界に伝え続ける人物を狙ったかに見える今回の事件。さらに同日、ガザ地区で一人のジャーナリストが殺害されました。モハマッド・マンスールさん(29)です。

マンスールさんの父親
「私が記者なら、お前の役目を続けられたのに」

マンスールさんと連絡を取り合ってきた番組スタッフに、亡くなる前日、こんなメールが届いていました。

23日のメール
「朝から空襲が止まらない。戦争は以前よりも激しくなり、人々は恐怖と死と飢えで泣き叫び、どこへ行けばいいのかわからなくなっている」

2023年10月、ガザで始まったイスラエル軍による攻撃。

マンスールさんは、朝日新聞の通信員として活動を始めるとともに、「サンデーモーニング」にもガザの惨状を伝え続けてくれました。

ジャーナリスト モハマッド・マンスールさん(2023年11月OA)
「今も爆撃が続いています。きのうも自分の目で、身体がバラバラになった子どもを見ました」

ラマダン(断食月)期間中を狙った爆撃について…

ジャーナリスト モハマッド・マンスールさん(2024年3月OA)
「聖なるラマダン。平和を広めるときなのに、家族が集まるのを狙ってイスラエル軍は空爆した。子どもたちは学校や家、自分の人生が壊され、食料だけを求めています」

イスラエル軍による地上侵攻が開始されると…

ジャーナリスト モハマッド・マンスールさん(2024年5月OA)
「これは警告無しの砲撃の結果です。イスラエル軍は、この地域に避難指示を出していません」

戦闘開始以来、多くの民間人が犠牲になりました。マンスールさんが伝え続けたのは、イスラエル軍による無差別ともいえる攻撃でした。

2025年1月、停戦合意を受けて、マンスールさんが8か月ぶりに故郷・ラファを訪れた時には…

ジャーナリスト モハマッド・マンスールさん(2025年2月OA)
「ご覧のように、私が生まれ育った街は恐ろしくおぞましい街に変わってしまった」

イスラエル軍が包囲し、“天井のない監獄”と呼ばれるガザ地区に海外メディアが入ることは厳しく制限されています。そのため、ガザの実態を伝えられるのは、マンスールさんのような現地ジャーナリストです。

しかし、戦闘開始以来、1年半の間にマンスールさん含め、208人のジャーナリストの命が奪われました。

ジャーナリストの権利保護活動を行う国際NPOは、イスラエル軍が意図的にジャーナリストを殺害していると指摘。マンスールさんも、身の危険を感じていたといいます。

ジャーナリスト モハマッド・マンスールさん(2024年5月取材)
「ガザにいる全てのジャーナリストはイスラエルに把握されています。とても怖い。いつ狙われるかわかりません。それでもイスラエルの本当の姿を伝え続けます」

「この戦争犯罪の責任を一緒に考えて」マンスールさんが“遺した言葉”

こうした危険にもかかわらず、ジャーナリストとしての活動を続けたマンスールさん。一体なぜなのでしょうか。

マンスールさんが13歳のとき、鉛筆で描いたガザの絵。戦闘機やヘリコプターが飛び交い、攻撃を受ける街が描かれています。

ガザで支援活動を行い、マンスールさんを子どものころから知るNPO代表の精神科医・桑山紀彦さんは…

NPO法人「地球のステージ」  桑山紀彦 代表理事
「『ひどい目にあってる俺らの町に色なんて塗れるか』って。怖かったですよ。とにかく目の力がものすごく強くて。こんな目にあわせてる人間に対する『復讐だ』という、『憎しみの連鎖』。戦争と貧困と占領という三重苦。これだけやられると普通、人間は『なんでこんなことに…』って、怒りの方に行ってハマスになっている」

実際、ガザで育った多くの若者が、復讐心から武力闘争に走るといい、2025年1月の報道では、推計1万5000人の新たなメンバーがハマスに加わったといいます。

片や、マンスールさんはそうした憎しみに捕われながらも、武力に訴える道を選ばず、いつしかジャーナリストを志します。

これは10年前、ガザにある大学でメディア論を学んでいた頃の姿です。

NPO法人「地球のステージ」  桑山紀彦 代表理事
「『ジャーナリストになりたい』って言い出したんですよ。怒りとか復讐でなく、本当のことを伝えることが自分の正義だってだんだん思えるようになってくれて。『誰が敵で、誰が味方か』という見方でなく、人が苦しんでる姿を伝えることで、『こんなことをやめよう』というメッセージを伝えることがジャーナリズムだと思うようになった。それがやがて、平和への思いとか、戦争のない世界への思いに変わっていった」

マンスールさんは、死と隣り合わせの日常の恐怖や、絶望の中にあっても懸命に生きる、ガザ市民の姿を伝え続けたのです。

マンスールさん(2024年7月OA)
「いま一番何が欲しい?」
男の子
「戦争が終わってほしい」

イスラエルの攻撃がどんなに激しくなっても、「ガザの未来のために、生き残って伝え続ける」と語っていたマンスールさん。彼はこんなメッセージを残しています。

ジャーナリスト モハマッド・マンスールさん(2024年5月取材)
「世界の皆さんは、ガザの今に慣れないでください。沈黙してはいけないのです。この戦争犯罪の責任を一緒に考えてください。これが日本の皆さんに伝えたい、私のメッセージです」

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