あなどってはいけない良性疾患 健康寿命を伸ばすための病気との向き合い方とは?

2025-04-09 08:00
あなどってはいけない良性疾患 健康寿命を伸ばすための病気との向き合い方とは?

医学の進歩によって、疾患の早期発見・早期治療が可能となってきた昨今、その関心が高まっている一方で、良性疾患の場合に「命にかかわらないから」と治療を先延ばしにしてしまう人は多い。だが、良性疾患の中には放置することで他の疾患のリスクを高める可能性があるものも存在する。このような、良性疾患の治療に対する患者の意識や医療現場での工夫はどのようなものなのだろうか。そこで今回、鼠径ヘルニアの日帰り手術専門クリニック『Gi(ジーアイ)外科クリニック』(https://gi-clinic.net/)を運営する医療法人Giは、医師を対象に「健康寿命」に関する意識調査を実施した。

日常生活の質(QOL)の悪化を防ぐ早期治療

まずはじめに、「健康寿命を延ばすために、良性疾患でも早期治療が重要だと感じる理由は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『日常生活の質(QOL)の悪化を防ぐため(52.7%)』と回答した人が最も多く、『症状の悪化や慢性化を防ぐため(49.8%)』『痛みや不快感が精神的なストレスを招くことを防ぐため(47.7%)』と続いた。この結果から、良性疾患でも放置すると症状の悪化・慢性化、痛みや不快感による精神的なストレスの増加などによる日常生活の質(QOL)の悪化を招く懸念があるため、早期治療が重要であることが明らかになった。

「良性疾患に対して、早期治療が必要だと感じる具体的なシチュエーションは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『痛みや不快感が慢性化するリスクがある場合(48.2%)』と回答した人が最も多く、『症状が日常生活や仕事に支障をきたしている場合(47.5%)』『生活の中で身体的な制約(動作制限や外出の困難など)が生じている場合(43.4%)』と続いた。特に痛みや不快感の慢性化のリスクがある場合や、日常生活・仕事に支障をきたしている場合、身体的な制約が生じている場合は、良性疾患でも早期治療が必要なようだ。

早期治療のメリット

「良性疾患を放置してしまう患者の心理や理由として、多いと感じるものは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『「今は忙しいので、時間ができたら治療する」と考えている(42.8%)』と回答した人が最も多く、『痛みや不快感に慣れてしまい、治療の必要性を感じていない(39.8%)』『「命にかかわらないので、治療しなくてもよい」と思っている(39.7%)』と続いた。どうやら多くの患者は、時間がないことや、症状に対する慣れや命にかかわらないと考えてしまい、良性疾患を放置してしまう傾向にあるようだ。では、このような良性疾患を早期治療するメリットは何なのだろうか。

「良性疾患の治療を行う際、患者に伝えている『早期治療のメリット』は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『痛みや不快感を早く取り除くことで、日常生活が快適になる(57.4%)』と回答した人が最も多く、『症状が軽いうちに治療することで、治療の負担が少ないことが多い(41.2%)』『仕事や家庭生活への影響を最小限にできる(37.0%)』と続き、日常生活の快適さや治療の負担の少なさ、仕事や家庭生活への影響が最小限になることが、医師が考える主な早期治療のメリットとしてあげられた。

続いて「患者が良性疾患の治療に踏みきれない理由を、項目ごとに『非常に強い・やや強い・あまり強くない・全く強くない』から選択してください」と質問したところ、下記のような回答結果になった。

【痛みや不快感が治療に伴う】
『非常に強い(29.4%)』
『やや強い(53.7%)』
『あまり強くない(14.6%)』
『全く強くない(2.3%)』

【手術が唯一の治療方法である】
『非常に強い(23.4%)』
『やや強い(53.9%)』
『あまり強くない(20.9%)』
『全く強くない(1.8%)』

【治療費や保険適用への不安】
『非常に強い(24.2%)』
『やや強い(51.1%)』
『あまり強くない(22.9%)』
『全く強くない(1.8%)』

【仕事や家庭生活への影響】
『非常に強い(23.6%)』
『やや強い(52.4%)』
『あまり強くない(22.3%)』
『全く強くない(1.7%)』

【医療機関の選び方がわからない】
『非常に強い(20.7%)』
『やや強い(58.8%)』
『あまり強くない(18.6%)』
『全く強くない(1.9%)』

どの項目も『非常に強い』『やや強い』と回答した人が7割以上おり、多くの患者が懸念を抱いていることがうかがえる。「痛みや不快感が治療に伴う」「医療機関の選び方がわからない」については約8割が『非常に強い』『やや強い』と回答しており、治療での痛み・不快感と医療機関の選び方がわからないことへの不安が大きく、これらの不安を解消することが、良性疾患の早期治療の普及に向けた重要な課題であると言えるだろう。

「最新の医療技術や設備」が専門性の高い医療機関での治療のメリット

患者が良性疾患の治療に踏みきれない理由として、医療機関の選び方がわからないことへの不安が大きいことがわかったが、専門性の高い医療機関を選ぶことが重要なケースにはどのようなものがあるのだろうか。

「良性疾患の治療は、専門性の高い医療機関を選ぶことが重要だと感じるケースはどれですか?(複数回答可)」と質問したところ、『短期間での回復を目指し、日帰り手術や短期入院が可能な施設で治療を受けたい場合(49.8%)』と回答した人が最も多く、『症状が複雑で、専門的な診断や治療が求められる場合(48.2%)』『手術が必要な場合(例:鼠径ヘルニアなど)(32.6%)』と続いた。日帰り手術や短期入院を希望する場合や、専門的な診断や治療や手術が必要な場合は特に、専門性の高い医療機関を選ぶ必要があるようだ。

次に「良性疾患の患者に治療を受けさせるために医療現場で実施している工夫は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『治療方法や手術の内容をわかりやすく伝える(44.5%)』と回答した人が最も多く、『痛みを最小限に抑える治療方法や麻酔技術を紹介する(43.6%)』『症状を放置することのリスクを具体的に説明する(36.7%)』と続き、患者に治療を受けてもらうために治療方法・手術のわかりやすい説明や、痛みを最小限に抑える方法、放置するリスクの説明などを工夫していることが明らかになった。

「良性疾患の治療において、患者に伝えていることは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『命にかかわらない疾患でも、放置すると生活の質が低下する可能性がある(49.4%)』と回答した人が最も多く、『治療が遅れると、より大掛かりな治療が必要になる可能性がある(48.1%)』『症状が軽いうちに治療することで、日常生活への影響を最小限にできる(34.3%)』と続き、良性疾患だからと放置してしまうと生活の質の低下や大掛かりな治療になる可能性があることなどを伝え、患者に治療を促しているようだ。

続いて「良性疾患の治療を患者に勧める際に、重視しているポイントは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『痛みや治療の負担を軽減する方法(麻酔、短時間手術など)を説明する(43.6%)』と回答した人が最も多く、『治療の必要性と、放置することのリスクを具体的に伝える(41.5%)』『生活への影響を最小限にする治療法(日帰り手術や短期入院など)を提案する(39.3%)』となり、患者に勧める際には治療の必要性や放置するリスクを理解してもらい、痛みや負担が少ない方法を具体的に提示することを重視し、治療に前向きになってもらえるようにしていることがわかった。

「専門性の高い医療機関での治療が患者にもたらすメリットは何だと考えますか?(複数回答可)」と質問したところ、『最新の医療技術や設備での治療(43.7%)』と回答した人が最も多く、『経験豊富な医師による安全性の高い手術(42.0%)』『より正確な診断と適切な治療計画の立案(35.2%)』と続いた。専門性の高い医療機関は、技術や設備が最新であったり、医師の経験が豊富だったりするので、正確な診断や安全性の高い手術が可能であることが、患者にとって大きなメリットであることが明らかになった。

【調査概要】「健康寿命」に関する意識調査
調査期間/2025年3月13日(木)~2025年3月14日(金)
調査方法/PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
調査人数/1,005人
調査対象/調査回答時に医師と回答したモニター
調査元/医療法人Gi(https://gi-clinic.net/)
モニター提供元/PRIZMAリサーチ
※この調査の内容は、あくまで医師の方を対象にしたアンケート結果の紹介であり、効果や効能を実証するものではありません。

「腫瘍が見つかったけど、検査したら良性でした!」なんて喜んでいる人を見かけることはよくあるが、良性といえどもそれは疾患。本来はカラダの中にあるべきものではなく、早めに切除するなり治療するなりして取り除くのが得策だ。「手術や治療は痛そう」「悪性じゃないなら痛い思いをして治療しなくてもいいのでは」と安易に考えてしまいがちだが、その後の生活への悪影響や悪化のリスクを考えたら、放置せずに治療に取り掛かるべき。専門性の高い医療機関なら、最新の医療技術や設備で経験豊富な医師による治療を受けられるので、そのような医療機関を選んで治療を受けてみてはいかがだろうか。

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