猫の喘息について|主な原因や治療法、発作が起きたときの応急措置まで【獣医が解説】

2025-04-12 17:20

猫の喘息は危険な病気?

ぐったりする猫

猫の喘息は、空気中のアレルギー物質が原因で起こる呼吸器疾患です。慢性的な咳や呼吸困難を引き起こし、場合によっては生命を脅かすほど重症化することもあります。

特に発作時には緊急対応が必要になることもあり、決して軽視できない病気です。本記事では、猫の喘息の原因や症状、治療方法について詳しく解説します。

猫の喘息の主な原因

マスクする猫

猫の喘息は、アレルギー反応によって気道が炎症を起こし、狭くなることで呼吸がしにくくなる病気です。具体的な原因は特定されていませんが、以下のような空気中のアレルゲンが関係していると考えられています。

  • ハウスダストやダニ
  • タバコの煙
  • 花粉やカビ
  • 香水やスプレー、アロマなどの強い香り
  • 猫砂の粉塵

アレルゲンが猫の気道に入り込むと、免疫反応が過剰に働き、気道が炎症を起こします。この反応をいわゆるアレルギー反応といいます。その結果、咳や喘鳴、呼吸困難といった症状が現れます。

猫の喘息の主な症状

口を開けて呼吸する猫

猫の喘息の症状は、軽度のものから命に関わる重度のものまでさまざまです。特に夜中から明け方にかけて、一般的には症状が出やすいということが特徴です。

一般的な症状

  • 一過性ではない、持続的ないわゆる慢性の咳(乾いた咳や、何かを吐き出すようなしぐさ)
  • 呼吸が荒くなる(努力性呼吸)
  • ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴音
  • 口を開けて呼吸する(通常、猫は口呼吸をしないため要注意!)

喘息発作時の症状(緊急対応が必要)

  • 急激な呼吸困難(息ができない状態)
  • ぐったりする、意識がもうろうとする
  • 舌や歯ぐきが青紫色になる(チアノーゼ)

発作が重度になると、酸素不足によって命の危険があるため、すぐに動物病院に連れて行く必要があります。

確定診断の難しさ
猫の喘息は他の呼吸器疾患(肺炎や心疾患など)と症状が似ているため、診断が難しいとされています。一般的には以下の方法で診断を進めます。

  • レントゲン検査:気道の炎症や狭窄の有無を確認
  • 血液検査:アレルギー反応の有無や感染症の除外
  • 気管支鏡検査:気道の細胞を採取して検査(通常、専門病院でない場合は実施が難しいことが多い)

確定診断を下すのは難しいですが、症状や検査結果を総合的に判断して診断されることが多いです。

猫の喘息の治療と管理

治療を受ける猫

現在、猫の喘息の治療にはステロイドの吸入療法が推奨されています。ステロイドには強力な抗炎症作用があり、気道の炎症を抑えて呼吸を改善する効果があります。

吸入療法のメリット

  • 局所的に作用するため、副作用が少ない(飲み薬よりも全身への影響が少ない)
  • 効果が早く現れやすい
  • 長期管理に適している

ただし、猫に吸入をさせるのはハードルが高いのが現実です。猫専用の吸入器を使用し、慣れさせる必要があります。

飲み薬(ステロイドの経口投与)
吸入が難しい場合、飲み薬としてステロイドを処方することもあります。ただし、長期使用による副作用(特に糖尿病など)のリスクがあるため、慎重に使用する必要があります。

その他の治療・管理方法

  • 気管支拡張剤(発作時に気道を広げる作用)
  • 環境管理(アレルゲンの除去が重要)
  • 空気清浄機の使用
  • タバコの煙や香水を避ける
  • 猫砂を粉塵の少ないものに変更

喘息発作が起こったら?(応急処置)

  • 落ち着いて、猫を安心させる(パニックになると悪化する可能性あり)
  • 新鮮な空気を取り入れる(窓を開ける、換気する)
  • すぐに動物病院へ連れて行く(酸素吸入などの処置が必要な場合あり)

重度の喘息発作は、時間との戦いになるため、迷わず病院を受診しましょう。

まとめ:猫の喘息は適切な管理が重要!

獣医師と猫

猫の喘息は、慢性的な病気であり、場合によっては命に関わることもあるため、早期発見と適切な治療が大切です。現在はステロイドの吸入療法が推奨されており、環境管理も重要なポイントになります。喘息の症状が見られたら、早めに動物病院で相談し、適切な対策をとることが愛猫の健康を守る鍵となります。

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