鎌倉市に新設の「学びの多様化学校」で初の“転入学式” 不登校の子どもたちが通いやすく工夫 先生は「スタッフ」で分校長は「リーダー」と呼ぶ

不登校の子どもたちが通いやすいように工夫された「学びの多様化学校」がこの春、鎌倉市に開設され、きょう転入学式が行われました。
転入学式が行われたのは神奈川県鎌倉市立「由比ガ浜中学校」です。文部科学省が指定する「学びの多様化学校」で、神奈川県内の公立中学校としては2校目となります。
きょうの転入学式には、市内在住で不登校や不登校の傾向がある1年生から3年生の男子12人、女子19人、あわせて31人が出席し、新たな一歩を踏み出しました。
一般の中学校より授業時間数を4分の3に減らすなど、特別なカリキュラムが組まれ、不登校の子どもたちも通いやすいようインテリアも含めて様々な工夫がなされています。
制服はなく、登校時間は市内全域から通うため午前9時半と遅めに設定されています。毎日の登校を基本としていますが、生徒の状況に合わせて学校と相談しながら登校のペースも決められます。
校歌や学校行事も、これから生徒たちと検討していくということです。
また、教員らは「スタッフ」、分校長は「リーダー」と呼ばれ、教室は「学び場」と言い換えられています。生徒31人は“クラス”ではなく、3つの異学年の「ホームグループ」で学んでいくということです。
岩田明分校長は「自分らしく成長していってほしい。無理しないで自分のペースで一緒に考えていこう」と生徒たちに語りかけました。
転入学式の後、取材に応じた生徒たちは「“学校感”がないところがいい」、「今まで不登校だったけど、この学校なら勉強にもついていけそう」などと新しい学校生活への期待を話しました。
文部科学省は、2004年からこうした「不登校特例校」を開設し始め、2023年に「学びの多様化学校」と名称を変更。小・中・高校で全国23都道府県に58校、既に設置されています。
将来的には全国に300校を開設する目標を立てていますが、予算や教員の確保など課題があります。