猫の『足の裏の毛がボーボー』を放置しないほうがいい理由 お手入れのコツも解説
ふとしたときに、愛猫の肉球まわりの毛を見たら、「ボーボー状態」になっていた―みなさんにもそんな経験があるかもしれません。今回は、伸び放題の足の裏毛を放置していると、どんな困ったことが起こるのか、解説します。あわせてお手入れのコツも紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
猫の足の裏毛(タフト)が果たす役割とは?

みなさんも大好きな猫の肉球には、体温調節(汗をかくなど)やジャンプ着地時のクッション、滑り止め、断熱材などの役割があります。
猫の足の裏毛は、専門用語では「タフト(tuft)」と呼ばれ、大事な肉球を補助する働きがあります。
たとえば、熱したアスファルトや冷たい雪の上を猫が歩く場合、「タフト」がクッション代わりになって、地面と肉球の接地面が減ると同時に、毛そのものの断熱性も加わるため、結果的に熱さ・寒さをいくらか感じにくくなります。
では、「タフト」が長く伸びてしまうと、猫にどんな悪影響を与えるのでしょうか?次項で具体的に説明します。
ボーボー「タフト」がダメな理由とは?

猫の「タフト」が肉球を覆うぐらいにボーボーになると、まず、足元が滑りやすくなります。特に、フローリングのあるおうちで、なおかつ、運動量の多い猫は要注意です。
また、衛生面での問題も無視できません。
伸びたままを放置していると、知らない間に「タフト」に部屋の汚れやホコリ、トイレ時の猫砂などが付着します。同時に、毛づくろいによって、猫が「タフト」まわりの汚れをいっしょに舐めてしまうので、少なくとも衛生的とは言えません。
さらに、梅雨時期の伸び放題の「タフト」は蒸れやすく、雑菌が繁殖しがちで、場合によっては、皮膚炎につながる恐れもあります。
「タフトボーボー問題」で特に気をつけたいのが、ペルシャ猫やメインクーン、ノルウェージャンフォレストキャットなどの長毛猫種です。日々の安全性と衛生面を考えると、これらの長毛猫種には「タフト」の定期的なお手入れが欠かせません。
次項では、実践的なお手入れ方法を簡単に解説します。
「タフト」のお手入れのコツとは?

「タフト」のお手入れでいちばん気をつけたいのは、愛猫が上機嫌なときに手早く済ませることです。
爪切りと同様、多くの猫が「タフト」のお手入れを苦手としています。不機嫌なときに試みてしまうと、愛猫から思わぬ抵抗や反撃に遭うかもしれません。愛猫の状態を冷静に見極めながら、「ここぞ!」というタイミングを見計らってみてください。
お手入れグッズとしては、ペット用のバリカン、ハサミなどがあります。ただし、ハサミを使用する場合、手元を誤って愛猫の大切な肉球などを傷つけてしまう可能性があるため、慣れていることなど飼い主のスキルの問題や、はさみの切れ味などからあまりお勧めできない場合もあります。ペット用のバリカンを使うのが最も無難な方法です。
愛猫のリラックス時に自然な感じで膝に乗ってもらい、さりげなくカットを始めると、苦手意識を持たれることなく、スムーズに作業を済ませられるかもしれません。お手入れ後、おやつのご褒美をあげると、次回以降もすんなり取り組んでくれるはずです。
カットの長さは肉球と同じくらいの高さが目安で、長毛猫種であれば、月に1度の「タフト・カット」が理想的です。
ちなみに、初めてペット用のバリカンを使うときは、事前に見せたり、実際に作動させたりして、ある程度、存在そのものに慣れてもらうことも、「タフト・カット」のコツです。
愛猫に抵抗されてカットが難しい場合は、無理せずに、トリミングや動物病院など、その道のスペシャリストに任せることも検討してみてください。
まとめ

今回は、愛猫の肉球まわりに生える足の裏毛について解説しました。
結論から言うと、「ボーボー状態」の足の裏毛を定期的にカットしておくと、「フローリングなどの床で滑らない」、「肉球まわりにゴミがつかない」というメリットがあります。
とりわけ、長毛種猫の場合は、もともと被毛が長く、短毛種猫に比べて、ボーボーになりやすいので、月に1度はカットしてあげてください。
足の裏毛をカットする際に、もし愛猫から激しい抵抗に遭ったら、動物病院やプロのトリミングに遠慮なく頼ることも大切です。
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