「にこやかに、晴れやかな顔。どの搭乗員も」零戦の整備にあたった104歳男性の証言 忘れることができない特攻隊「敷島隊」を見送ったときの光景

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-07-31 12:22
「にこやかに、晴れやかな顔。どの搭乗員も」零戦の整備にあたった104歳男性の証言 忘れることができない特攻隊「敷島隊」を見送ったときの光景

戦後80年プロジェクト「つなぐ、つながる」です。今回は、戦時中、南太平洋の最前線で零戦の整備にあたっていた104歳の男性の証言です。今でも忘れることができない、日本初の海軍の特攻隊「敷島隊」を見送ったときの光景です。

香川県高松市に住む、多田野弘さん。104歳です。

元零戦整備士 多田野弘さん
「飛行機を準備して飛ばしてやるのが、私たちの仕事でした」

多田野さんは21歳で戦地に赴き、海軍航空隊の一等整備兵として、ラバウルやサイパンなど南太平洋の最前線に立ちました。

整備していたのは、当時、日本海軍の主力だった零式艦上戦闘機=零戦です。

元零戦整備士 多田野弘さん
「燃料をつけたり、機関銃の弾を積んだり。全部、特攻で逝ってしまいました」

戦地に持ち込んだカメラで多田野さんが撮影したという、青年の写真。敵艦への体当たり攻撃=「特攻」で命を落とした仲間です。

零戦は、日本軍の戦況が悪化した太平洋戦争末期、空中戦の道具から特攻兵器へと姿を変えていました。

元零戦整備士 多田野弘さん
「『総員、見送りの位置につけ』と、スピーカーから。『特攻が出ていくから、皆で見送れ』と」

日本で初めての神風特攻隊「敷島隊」。彼らを見送った多田野さんには、今でも忘れられない光景があるといいます。

元零戦整備士 多田野弘さん
「彼らの顔を見ました、搭乗員の顔。飛行機で死にに行くんですよ。だから、ものすごく厳粛な顔をして、顔が固くなっているんじゃないかと思って見たところ、にこにこしとるんですよ。にこやかに、晴れやかな顔をしているんです。どの搭乗員も皆、そう。もう『人間業ではないな』と思った」

特攻で亡くなったのは、海軍と陸軍を合わせて約6300人。ほとんどが20歳前後の若者でした。

元零戦整備士 多田野弘さん
「私と同じ年頃の搭乗員です。それが爆弾とともに突っ込んでいく。死にに行くんですわ」

終戦を迎えるまでに100人を超える特攻隊員を見送ったという、多田野さん。「尊い命が奪われる戦争は、二度と起こしてはならない」と力を込めます。

元零戦整備士 多田野弘さん
「もし、日本が外国から攻められたときに、あなたは戦うことができるかと。(そう考えると)戦争というのは、起こりようがないと思います」

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