水深2センチでも溺れる可能性…子どものプール事故相次ぐ プールの死角と対策は? 映像から学ぶ「子供は静かに溺れる」水難事故を無くせ!
子どもがプールで溺れる事故が相次いでいます。
深さわずか2~3センチでも溺れてしまう危険性があります。水遊びの季節、プールの死角と対策を取材しました。
【写真を見る】相次ぐ子どものプール事故 大人が気づけない水中の死角
子どもは静かに溺れる 深さ2センチのプールでも 水中に死角あり
2021年、当時小学3年生の子どもがプールで溺れかけた映像には、水面から手を出すと、全身は沈み、また手を出しては沈むを繰り返している様子が映っています。
幸い、職員が気づいて救助し、大事には至りませんでした。
水難学会 斎藤秀俊理事
「子どもが溺れる瞬間は、周りの大人はほとんど気づきません」
水難学会によると、今年は例年よりも早く猛暑が到来したこともあり、子どもが溺れる事故が増えているといいます。
7月28日、東京・小金井市のスポーツクラブの室内プールで、6歳の男の子が溺れて死亡する事故が発生。
子どもは溺れると、声を出したり手を振ったりして助けを求めることができないといいます。
「水は透明だから中は全部見えてるつもりになっている」
溺れていることに気づきにくい理由はほかにも…
水深1.3メートルのプールの底に子どもに見立てた人形を沈めた実験映像を見ると、水中では5メートル先の人形が見えますが、水中から出ると目視では確認できません。
約2メートルまで近づいたところでようやく人形を確認することができました。
水難学会 斎藤秀俊理事
「これは光の屈折と光の反射によるイタズラなんです。皆さん勘違いしますが、プールの水は透明だから中は全部見えてるつもりになっている」
鼻と口を覆うだけの水があれば溺れる可能性も
家庭用のビニールプールでも、注意が必要です。
7月、北海道・恵庭市の幼稚園でプールでの水遊び中に、3歳の女の子が水に顔が浸かった状態で発見されました。女の子は救急搬送されましたが、命に別状はありませんでした。
プールに張られた水の深さは2~3センチだったといいますが…
水難学会 斎藤秀俊理事
「前のめりに倒れて、たまたま目の前に数センチの水がたまっていると溺れる危険性が出てくる」
鼻と口を覆うだけの水があれば溺れることがあるといいます。
水難学会 斎藤秀俊理事
「いくら浅くてもしっかりと子どもの動向をみる。(大人も)水の中に入って一緒に遊んでほしいと思います」
記録的な暑さが続き、プール需要が高まる今年の夏。子どもから目を離さないことが大切です。