「イカは高級品になりすぎた」猛暑で“海の幸”の商売に異変 スルメイカ不漁もさきいか乾燥機で“新名物”誕生【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-08-19 20:37

猛暑の影響は魚介類にも及んでいます。水温の上昇で、養殖のハマチやタイには大きな被害が出ています。仕入れ価格が上がり、値上げした寿司店もあります。

【写真を見る】強烈残暑で大量死している養殖ハマチ

スルメイカの深刻な不漁続く…“朝市名物”にも打撃

井上貴博キャスター:
海の幸への影響と、企業の工夫について見ていきます。

猛暑の原因の一つとされている“黒潮大蛇行”。終息の兆しとも言われていますが、近年ずっと続いているスルメイカの不漁は、2025年も深刻です。

北海道・函館では、6月の解禁日に水揚げが“ゼロ”で初競りが取りやめとなる異例の事態になりました。その後は少しずつ水揚げされているそうですが、東京・昭島市「森寿司」の森谷和将さんは「スルメイカはほとんど出回っていないし、価格も平年の3倍くらい。塩辛を作る分しか仕入れず、今は握りには回せない」と話しています。

函館朝市の名物「元祖活いか釣堀」は、「入荷が不安定で、当日にならないとオープン出来るかわからない」といいます。

19日は70杯入荷し、午前7時に開店しましたが、午前9時前には終了したそうです。

2024年も同じお店を取材した際、イカ不漁の対応策としてエビ釣りを行っていました。2025年はエビも入荷が少ないため、週1~2回しか釣堀の運営ができないそうです。

加工品に影響出るも、さきいか乾燥機で“新名物”

井上キャスター:
スルメイカを使った加工品にも影響が出ています。

さきいかなどを製造する山一食品の常務取締役・吉村直人さんは「イカは漁獲量も減り、高級品になりすぎてしまった」と話します。

何か対策はないかと考える上で、吉村さんがふと思い出したことがあるそうです。

約10年前、中国のとある食品工場を視察した際、「さきいかの乾燥機で、干し芋が作れるのではないか」と考えました。

2025年からさきいかの乾燥機で「干し芋」の製造・販売を始めたそうです。

「北海道は気温の上昇に伴いサツマイモの生産量も増加。海・陸にこだわらず、気候に対応しながら安全で美味しいものを届けたい」と吉村さんは話しています。

東京大学 准教授 斎藤幸平さん:
今回だけの問題じゃなくて、言ってみれば、ずっと続くし、もっと悪化していくわけですよね。

そういう意味で言うと、わたしはドイツにいましたが、やはりお寿司はすごい人気が出ていて、これから漁獲への需要自体は高まっています。逆にもう1つの問題で、日本はこの間にも乱獲をしてきて、漁業資源をしっかり管理してこなかったという、言ってみれば“ダブルパンチ”になっていくので、やはり早急な対策が必要になってきますよね。

海水の高温から魚を守る“沈むいけす”

井上キャスター:
海の中での養殖にも、海水温の上昇が大きな打撃を与えているということですが、こんな対策を取っている企業もあります。

ブリ・カンパチの養殖について、ニッスイの担当者に取材したところ、「台風などの波浪対策が、近年の水温上昇への対策にも役立っています」と話していました。

皆さんがイメージするいけすは海面からも見えるものだと思いますが、夏場の海面水温は30℃ほどになってしまい、魚はバテてしまいます。

ブリは比較的暑さに強いとされていますが、それでも水温が30℃だと▼エサを食べなくなり、▼食べても太りにくくなります。

そこで、いけすごと沈めてしまうという方法を採用しました。

まず、なぜ沈ませる技術があるのかというと、台風対策で波が高いときにいけすを沈ませることで魚を守ることができます。今は、暑さ対策で水深20mまで沈めています。

この技術自体は日本の養殖各社が持っているもので、これを夏場に使うことで、いけす内の水温が25℃程度、ブリの養殖の適温にもっていけるということです。

そして、今までエサをあげるときは、いけすを上にあげていたそうですが、少し上に上げるだけでも30℃くらいあり、ブリがバテてしまうので、ニッスイでは2025年から、いけすは下げたままにして、配管を通してエサをあげるという独自技術を実験的にやっているそうです。

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〈プロフィール〉

斎藤幸平さん
東京大学 准教授
専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破

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