記録的な暑さはなぜ続く?気象庁「これほど暑くなるとは」今後、最悪の場合「東京でも44℃が出る可能性」【Nスタ解説】
29日も西日本を中心に危険な暑さとなりました。この暑さから身を守るため、各地の学校ではさまざまな取り組みが行われています。
なぜ、これほど暑い日が続いているのでしょうか。
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偏西風の影響で記録的な暑さが続く 11月頭まで残暑長引く見込み
日比麻音子キャスター:
危険な暑さが続いています。8月が終わるのに暑いですが、一体なぜなのでしょうか?
TBS報道局社会部 本杉美樹記者:
今年の暑さの大きな要因として考えられるのが、「偏西風」の影響です。偏西風は冷たい空気と暖かい空気の境目に流れますが、今年は平年よりも北寄りになりました。それにより、日本全体が偏西風の南の暖かい空気に覆われる形となって気温が上がっていったということです。
日比キャスター:
なぜ、北上してしまったのでしょうか。
本杉記者:
今年は、インド洋からフィリピンの東ぐらいにかけて積乱雲の活動が活発でした。その影響で、大陸の上空にある高気圧が北側に張り出す形になりました。その高気圧が偏西風をグイっと北に押し上げて、平年よりも北になったということです。
日比キャスター:
日本から遠く離れたところの大気の状況が、大きく影響したということですね。
南波雅俊キャスター:
予報では、まだまだ暑いということですが、この暑さはいつまで続くのでしょうか。
本杉記者:
例年、冬になると偏西風は下がってきますが、今年は季節の進行がとても遅いと見込まれています。少なくとも10月いっぱい、11月の頭ぐらいまで、このような偏西風の状況は続くということで、厳しい残暑も長引くと見込まれています。
歴代の最高気温ランキング 今年だけで、トップ5を塗り替える 気象庁「これほど暑くなるとは」
日比キャスター:
今年の夏だけで見ても記録的な暑さとなっています。最高気温の記録では、トップ5を今年更新したといいます。
【歴代の最高気温ランキング 1898年以降・気象庁】
今年8月5日 41.8℃(群馬・伊勢崎)
今年8月6日 41.4℃(静岡市)
今年8月5日 41.4℃(埼玉・鳩山町)
今年8月5日 41.2℃(群馬・桐生市)
今年7月30日 41.2℃(兵庫・丹波市)
日比キャスター:
今年は、記録が塗り替えられてしまいました。例年と比較しても、やはり今年は特別だったのでしょうか?
本杉記者:
極端な暑さというのが特に出やすかったなと思います。
2023年と2024年は、平年と比べた夏の平均気温が+1.76℃で、2年連続統計史上最高の値でした。しかし、2025年は8月28日時点で+2.36℃という結果になっています。去年の値を大きく上回って、今年も統計史上最高になるのが見込まれています。
日比キャスター:
+2.36℃という結果を受け、気象庁はどのような反応をされていますか。
本杉記者:
30日、31日も暑い日が続くので、+2℃を上回るということは間違いないだろうと話していました。正直、これほど暑くなるとは予想していなかったと驚いていました。
専門家「東京都心でも43~44℃の日が出てくる可能性」
日比キャスター:
このままだと地球はまずいですよね。
本杉記者:
気象庁の予測では、このまま温暖化対策をしない「最悪のケース」の場合、21世紀末は20世紀末に比べて気温が4.5℃上がり、猛暑日も17.5日増えると予想されています。
気候変動に詳しい、東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授は「東京都心でも43℃や44℃の日が出る可能性がある」としています。
日比キャスター:
今、40℃と言われると「まさか」と思いますが、このまま続いてしまえば最悪のケースで、43~44℃になるということですね。まるで日本ではないみたいです。
南波キャスター:
15、16年前に自分が高校野球をやっていたときに、30℃を超えたら相当暑く感じ、35℃なんてとんでもないと思っていましたけど、今は当たり前のように35℃じゃないですか。
日比キャスター:
28日の東京の最高気温は33.9℃でしたよね。ようやく秋が近づいてきたのかしらとワクワクしましたが、過去の気温と比べるとこれでも高いですよね。
本杉記者:
10~20年前の都心の夏は、最高気温の平均で見ると29℃くらいでした。2025年は現時点で、最高気温の平均が32.2℃なので、日本の夏が急激に暑くなっているということがわかります。
日比キャスター:
ですから、夏の常識や私達の気温の感覚すら変わってしまっているということですよね。
南波キャスター:
注意しないといけない暑さですが、34℃だとまだまだ大丈夫かなと思ってしまいます。その感覚もちょっとズレてきたというか、変わってはいますよね。
東京23区 熱中症が原因で亡くなったは101人に
日比キャスター:
そして、暑い日が多くなることで、気象災害の増加に繋がります。
本杉記者:
今年はゲリラ豪雨も相次いでいます。これは大気が不安定になるためです。不安定になる理由としては、上空と地上の気温差です。
例えば上空5000mが-6℃だったとすると、平年の東京の最高気温の平均は31.3℃なので、差は37℃です。
一方で、2025年の平均は34.2℃なので、差が40℃あります。一般的に気温差が40℃を超えると、雷を伴う雲が発達しやすく、ゲリラ豪雨が起きやすいと言われています。
日比キャスター:
暑さは命を奪う危険もあるわけですよね。
本杉記者:
2025年6月から8月27日までに、東京23区で熱中症が原因で亡くなった方の数は101人にのぼったということです。
日比キャスター:
気温や暑さの常識がどんどん変わっていますから、厳しい暑さのときは外に出ない、無理はしない、我慢をしないということを繰り返しお伝えしたいですね。
本杉記者:
無理をせず水分補給をして、エアコンを上手に使って暮らしていただきたいと思います。
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<プロフィール>
本杉美樹
TBS報道局社会部 気象・災害担当
気象予報士の資格も取得