愛猫を救う『非常用持ち出し袋』必ず入れるべき5つのもの 収納場所や中身の管理方法も

2025-09-01 12:00

災害は予期せず突然やってきます。愛猫の命を守るためにも猫専用の防災準備が欠かせません。避難時に必要なものがすぐ取り出せるよう、あらかじめ「猫用防災グッズ」を用意しておきましょう。ここでは、持ち出し袋に入れておくべき5つの必須アイテムと、収納場所や中身の管理方法について解説します。これらは必要最低限のものです。必要に応じてアレンジしてください。

愛猫用の非常用持ち出し袋に入れるべきもの5つ

非常持ち出し袋の中身

「備えあれば憂いなし」の代表である非常用持ち出し袋。できれば使うことがないよう祈りたいものですが、有事の際乗り越えるためにも、いまのうちから準備しておきましょう。

長期避難にはまた別の備えが必要ですが、緊急時に持っておく袋には、必要なものを必要なだけそろえておくことが重要です。

1.フードと飲用水

自宅だけの非常時であれば、避難先で購入することも可能ですが、震災など大規模な非常時には物流が止まり、ペット用品の入手は非常にむずかしくなります。

最低でも猫用のフードは3~4日分を目安に用意しておきましょう。いつも食べているドライフードを小分けにして、防水パックに入れておくと安心です。

ウェットフードを入れる場合は、スプーンや容器も忘れずに入れておきます。水を自由に使えない場合、容器を洗えないので使い捨てを用意しましょう。牛乳パックを適当なサイズに切っておき、使い捨てるのも可能です。

飲用水は500mlのペットボトルを数本用意しましょう。飼い主の分を分け与えても良いですが、ミネラルが少なめの天然水で十分です。

2.トイレ用品(簡易トイレ+猫砂)

避難所や車内での生活では、猫の排泄環境を慎重に、そして適切に確保しておく必要があります。

折りたたみ式の猫用ポータブルトイレといつも使っている猫砂をセットで準備しておくと便利です。トイレは段ボールにビニール袋を二重に重ねたものでも代用できます。ペットシーツを一番下に敷くと漏れ防止になります。

災害時にはごみの処理が難しくなるため、使用済みの砂を密閉できる消臭袋もあわせて持ち出し袋に入れておきましょう。

非常時には猫が緊張してしまい、おしっこを我慢してしまうことも考えられます。24時間以上、出ないと危険ですので、トイレは安全にできるところに確保しましょう。

3.キャリー用品一式

避難の際には、必ずキャリーバッグが必要になります。危険を感じた猫は、ものすごい力で飛び出してきますので、脱走防止のためにも、キャリーバッグとハーネス、リードはセットで用意しましょう。

バッグは猫が落ち着いて過ごせる「安心できる場所」としても機能するため、ふだんから慣らしておくことが重要です。

ハードタイプのキャリーは、丈夫で安全性が高いのでおすすめです。水や汚れを拭き取りやすいメリットもあります。一方、ソフトタイプは軽くて持ち運びやすく、かさばらず持ち運びの負担が少ない点も魅力です。特にリュック型は身体の前に掛ければ、猫の様子を見やすく両手を空けることもできます。

4.ブランケットやバスタオル

ブランケットやバスタオルも必ず用意しておきましょう。できれば2〜3枚はあった方が、汚れたときや用途別に使い分ける際に便利です。

洗いざらしのものよりは、ふだんから何度か使用して猫のニオイがついている方がいいでしょう。避難先など慣れない環境では、キャリーやケージに掛けて目かくしにしたり、猫のそばに置いてあげたりするだけでも多少の緊張緩和に役立ちます。もちろん、防寒できる点も重要です。

ただし、フリース素材のブランケットは、保温性に優れている一方で、暖かい(暑い)環境では、吸水性・通気性のよい綿素材のバスタオルや、ペット用冷感ブランケットが快適です。災害は季節を選ばないので、できれば両タイプを準備しておくと安心です。

5.猫手帳

非常事態のときには、常に猫の脱走が心配です。万が一、逃げてしまっても情報があるだけで、保護されたときに身元確認ができて戻る確率が格段に高まりますので、猫の写真やワクチン証明書、連絡先などをまとめた『猫手帳』を用意しましょう。

写真は、全体がわかる全身と顔の写真を数枚用意します。単一色の猫は他人では判別しにくいので、横から見た鼻の形やしっぽの長さなどの特徴を捉えて撮影しましょう。写真の裏に、猫の名前や年齢、連絡先やマイクロチップの登録番号などを記載しておきます。

また、避難所や一時預かり施設は、健康状態やワクチン接種の有無を確認することがありますので、ワクチン証明書を入れておけば受け入れの手続きが円滑になります。

収納場所と管理のポイント

ウェットフードを食べる猫

非常用持ち出し袋は、ふだん使わないだけに、どうしてもすぐに扉のある場所にしまいがちですが、非常事態にはすぐに手に取れることが何よりも重要になります。

自然災害時には、家屋が歪んで扉が開かなくなったり、散乱して収納の中から取れなくなったりすることも考えられるため、できれば常にすぐ手に取れる場所に置いておくのが理想です。

生活空間の都合で収納内にしまう場合は、緊急時を考えて、玄関先やリビング、寝室、車の中などに分散させて置いておくのも良い方法です。

また、持ち出し袋の中身を定期的に入れ替えるローリングストックは、人間用の備蓄と同様に猫用にも必要な考え方です。フードは消費期限がありますが、猫砂やペットシーツなども湿気を含むと劣化していきますから、劣化する前に入れ替えるようにしましょう。

まとめ

バックパックに入る猫

今回は、災害時の一時避難のための非常持ち出し袋について紹介しました。

東日本大震災以降、防災意識が高まったものの、コスト面などの影響で防災食の備蓄率は約6割にとどまっています。人間用の備蓄品は近隣の人たちと共有できても、飼い猫の命を守るのは飼い主にしかできません。

今回紹介した5つは、最低でも備えておきたいアイテムです。猫用のフードやトイレは、代替が利きにくいため、飼い主が責任を持って用意しておきましょう。

いざという時に備えておくことで、避難先でも安心して過ごすことができます。大切なことは「今」備えておくこと。ふだん使っているものの中から、少しずつピックアップするだけで大丈夫です。愛猫の安心と安全のために、ぜひ今日から準備を始めましょう。

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