「ホラーブーム」なぜ今?美術館やプラネタリウムでも“没入型”ホラーに絶叫【THE TIME,】

映画だけでなく、イベントでもホラー系が続々と開催され人気となっています。なぜ、今“ホラー”なのか?
【写真を見る】プラネタリウムで360度の恐怖体験「ちょっと本当、無理かも…」
上映方法も“ホラー”
<行方不明の友人を探しています>
近畿地方の“とある場所”を舞台に巻き起こる事件や怪奇現象の数々に、オカルト雑誌の記者が迫るホラー映画『近畿地方のある場所について』。
連日映画館が賑わい、興行収入13億8000万円超の大ヒットとなっています。
「“じっとりとした嫌さ”みたいなものがすごく作り込まれていて怖かった」(20代女性)
「“ホラーブーム”なので観に来た」(高校生男子)
また、「日本人が怖がるところが全部入っていた」(20代女性)「ずっと耳をふさいでいた」(女子高生)というのは、亡くなった娘に似た人形を手に入れたことがきっかけで恐怖に見舞われていく映画『ドールハウス』。
累計販売本数190万本超のホラーゲームを元にした映画『8番出口』も8月29日から公開されています。
さらに、興行収入23億4000万円と、邦画ホラー史上最大級の大ヒットを記録した映画の続編『事故物件ゾク 恐い間取り』では、“上映の仕方もホラー”。
お化けがスクリーンから飛び出し劇場を徘徊。客の恐怖をあおる「“恐さマシマシ”絶叫上映」を開催しています。
「美術館」で“不気味さ”に没入
1時間待ちの大行列ができていたのは、六本木ミュージアム(東京・港区)で開催されている『1999展-存在しないあの日の記憶-』です。
1999年7月、ノストラダムスの予言通り“世界が終わっていたら”という終末を描き、1999年前夜の不安と期待が交錯する独特な空気感を、空間・映像・音響を駆使して再現した“没入型ホラー展”です。(※一般2500円・学生2000円・小学生1300円)
「終末の世界に潜り込んだような、展示というよりは“アトラクションに近い”」(30代男性)
「“世界が終わったら自分はどう思うのかな”と考えながら見ることができた」(30代女性)
それにしてもナゼ、美術館でホラー?
『六本木ミュージアム』川村琉太さん:
「一般的なおばけ屋敷と違って美術館でやるからこそ映像や音楽、照明を通して“不気味さを演出している展示”になっているので、多くのお客様に来てもらえる」
プラネタリウムで“没入型”恐怖体験
コニカミノルタプラネタリウム満天(東京・池袋)では、空間全体を覆うド迫力ドーム型天井スクリーンで、ホラー作品を上映。(※一般シート 大人1600円~)
ロマンチックな星空が一変、没入型の恐怖体験ができます。
THE TIME,マーケティング部 原千晶部員:
「ちょっともう…ちょっと本当、無理かも…。全体360度広がっているので圧迫感もあるし、より映像が迫ってくる感じが怖い」
この『ホラープラネタリウム ふり返りの旋律』の監修は、100本以上のお化け屋敷をプロデュースした五味さん。
お化け屋敷プロデューサー 五味弘文さん:
「人は寝そべると無防備。寝そべったところで自分を包み込むような映像が現れるのはより怖い。これほど“格好のシチュエーション”はない」
ホラーが「流行りやすい」世情
今、ホラーの需要が高まっているのはナゼなのでしょうか?
ホラーに詳しい『國學院大學 』飯倉義之教授:
「ホラーは人が不安や不満を抱えている時に流行りやすい。自然災害も多いし、物価高など“解消しない現実”の代わりに、“ホラーは最終的には解決する”ということで、少しすっきりした気分になる」
「掃除×ホラー」ゲームが話題
ホラーブームは、掃除グッズなどを手掛ける企業にも。
Steam®︎で無料配信中のゲーム『しずかなおそうじ』。
亡き父から相続し長い間放置していた別荘の掃除を始めた主人公が、暗号を解きながら脱出を目指すホラーゲームです。
掃除アイテムとして登場するのは、実際にある商品。
原部員:
「<こびりついた油汚れには強力分解タイプのキッチンマジックリンだな>と出てきた。結構汚れているキッチン周り。拭きとると、 わ~いきれいになった」
しかし、掃除に気を取られていると…
原部員:
「待って待って、怖い怖い。キャー。ちょちょ、え、 なに?」
二足歩行の謎のナニかが迫ってくる“掃除とホラー”の組み合わせ。
『花王』が開発し、ホラーゲームをしながらお掃除テクニックを学べると話題になっています。
ホームケア事業部・原田和弥さん:
「若年層にも、掃除をより快適にする裏技をお伝えしたくてホラーゲームという形になった」
まだまだ続く暑い日々。ホラーでヒヤッとしてみるのもいいかもしれません。
(THE TIME,2025年9月1日放送より)