今も語りつがれる個性豊かな「大英博物館の猫」たち 親子で“博物館の顔”になることも 英国

2025-09-05 06:00

過去200年間、大英博物館に通ってきた多くの猫たちはそれぞれ個性的で、人々からも愛されました。そんな猫たちをご紹介しましょう。

図書室に出入り禁止になった猫

夜の大英博物館

画像はイメージです(Santi Rodríguez - stock.adobe.com)

大英博物館には有名な猫たちがいたことを、ご存じでしたか?

1828年から1866年まで写本管理官を務めたFrederick Madden卿は、フランスから購入した2匹の猫を飼っており、どちらも彼のあとをついて館内を自由に歩き回っていました。

その後、博物館によくやってきたBlack Jackという白黒猫も、有名な存在です。閲覧室の机に座ることが多く、外に出たいときには必ず室内の誰かに扉を開けてもらうのが習慣でした。

ある日曜日、偶然図書館の新聞室に閉じ込められたBlack Jackは、装丁された新聞の冊子で爪を研ぎ、かなりの損害を与えてしまいました。すぐにこの猫は図書館に出入り禁止となり、事務員たちは「この猫を見かけたら追い出すように」と命じられたのです。

でも2人の職員はこっそりBlack Jackをかくまってご飯を与え続けました。猫の姿が見えなくなったため、公式には「Black Jackは死亡したと推定される」と報告され、新聞の装丁は修理され、博物館はいつもの平静さを取り戻しました。数週間後、再び元気な姿を現したBlack Jackを見て、誰もが喜んだといいます。

子猫が運ばれてきた!

子猫を加えて運ぶ白黒猫

画像はイメージです

1909年ごろのある朝、当時エジプト考古学担当官で、大英博物館でエジプトの猫ミイラを管理していたErnest Wallis Budge卿が自宅を出て行こうとしていた際、Black Jackが口に何かをくわえて現れました。猫は彼の足元にそれを置くと、厳粛かつ不可解な様子で立ち去りました。よく見ると、それは子猫でした。

この子猫はMikeと名付けられ、そのまま彼の家に迎えられることになったのです。

Mikeは飼い主とともに大英博物館に通い、博物館の正門の門番たちとも親しくなって守衛所で過ごす時間も多くなりました。ここには昼夜を問わず自由に出入りでき、寝床として隙間風の入らない専用の棚まで用意されていました。

Mikeは博物館の巡回を続け、その見返りとして「ミイラ猫」の担当者がこの猫の世話をするようになったといいます。第一次世界大戦の不況にあっても、Mikeが空腹にならないように彼が気を配り、夕方には軽食室のウェイトレスからミルクや食べ残しをもらったり、職員の家に招かれて遊んだりしていたといいます。

その後にも多くの猫たちが

母猫と子猫たち

画像はイメージです

約15年間も博物館の巡回を続けてきたMikeでしたが、1924年に正式に引退しました。

晩年は歯が弱っていたため、3人の門番たちが交代で柔らかい肉や魚を用意してくれました。やがて彼の健康は衰え食事もできなくなり、1929年1月15日に20歳ほどで亡くなったのです。「人付き合いの上手な」この猫を愛していた多くの人々は、深く悼み悲しみました。

Mike亡き後にも大英博物館にやってきた猫たちは大勢いましたが、さほど有名ではありません。

Belindaというオスの茶トラ猫は「気の強い性格で、車の中で暖を取るのが好きだった」と記録されています。その後にやってきたSuzieは白黒のメス猫で、看守たちと暮らし、建物の巡回を欠かさず行っていました。来館者にも職員にも愛想がよくおなじみでしたが、1982年5月に16歳で亡くなり、博物館は会報に短い訃報を掲載しています。

その後Maisieとその子猫Pippin、Poppet、Pinkie、そして制御室で作業員たちと多くの時間を過ごしていたSuzie2世も登場しました。こうした猫たちは高齢になると、職員の自宅へと引き取られていったのです。

現在、大英博物館に猫はいません。残念なことですね。

出典:Black Jack, Mike and the British Museum

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