世界最高の猫の絵画?42匹もの愛猫たちをイキイキと描いた大作「妻の恋人たち」

2025-10-03 06:00

1891年に画家カール・ケーラーが制作した絵画「妻の恋人たち」は、猫を描いた傑作として現在も高い評価を得ています。依頼者である億万長者が飼っていた42匹の猫が個性豊かに表現されており、鑑賞する人々を感動させる大作です。

億万長者の依頼で制作

猫を描いた油絵

画像はイメージです

19世紀の画家カール・ケーラーが描いた絵画「妻の恋人たち(My Wife’s Lovers)」は、美術史上でもっとも壮大な猫の絵だといえるでしょう。

米国の億万長者Kate Birdsall Johnsonの依頼で制作されたこの絵には、42匹の猫が描かれています。Kateがこれまで飼った数多くの猫たち(ほとんどがアンゴラ猫)を、絵の中でよみがえらせているのです。

2016年になって、この絵がオークションで82万6千ドル(約1億1900万円)という高値で落札されたため、SNSなどで大きな話題になりました。

1856年オーストリア生まれのカール・ケーラーは、オーストラリアとニュージーランドに渡って競馬の絵を描き、画家としてのキャリアを築きました。その後米国のヨセミテへ向かう途中、サンフランシスコに立ち寄り、風景画を描く予定でした。

そんなとき、美術品収集と慈善活動で知られる大富豪Kateの邸宅に招待され、彼女の愛猫の絵を制作するよう依頼を受けたのです。

彼女の夏の別荘は40室もあるヴィクトリア様式の邸宅で、飼い猫たちは1フロアを丸ごと占領し、それぞれに専属の使用人が付き添っていたともいわれるほど甘やかされていました。ここにはほかに犬、馬、牛、オウム、インコ、カナリアなどが飼われていて、カールはこの邸宅に3年間も滞在し、猫たちのスケッチを描きながら、それぞれの個性をじっくりと観察したのでした。

猫をいきいきと描いた大作

絵筆をいじる子猫

画像はイメージです

1891年に完成した「妻の恋人たち」は、高さ1.8メートル、幅2.4メートル、重さ90キログラムもある大作でした。42匹の猫は絹のじゅうたんを敷いた階段の上に並んで、個性豊かなポーズで描かれています。休んでいる猫もいれば、遊んでいたり、仲良く抱き合ったりしている猫もいます。

画の左下には蛾に群がる猫たちが描かれ、中央には緑色の目と、白い毛皮に茶色と黄色の模様を持つ美しい猫Sultanがいます。その隣には青い目をした白いアンゴラ猫が描かれています。これはたぶんHis Highnessと呼ばれた猫でしょう。

カールはこの絵の報酬として5000ドルを受け取ったと言われており、これは今日の価値で約17万ドル(2440万円)に相当します。この絵画は1893年のシカゴ万国博覧会で初公開され、大きな話題を呼びました。

Kateは1893年に亡くなりました。新聞の死亡記事には、「彼女は生前、慈善事業に熱心だったものの、少し風変わりなところもあった。趣味はたくさんの猫を飼うこと。絵画を好み、そのコレクションは推定20万ドル以上とされている」と記されています。

彼女は遺言によって、貧しい女性と子どもたちのためにサンフランシスコ病院を設立し、愛猫たちにも少額の養育費を残しました。

大地震でも生き残った絵画

大地震で崩壊した建物

画像はイメージです

彼女の死後、この絵画を購入したのはフランス生まれの収集家Ernest Haquetteでした。そして彼の豪華な画廊に展示されていたのです。ところが1906年、サンフランシスコ大地震によって画廊は破壊されてしまいました。この地震では市内の建物80%が壊れ、当時49歳だったカールも被災して亡くなってしまいました。

しかし瓦礫の中で、「妻の恋人たち」は生き残ったのです。

1940年代になってこの絵画はふたたび名声を博しました。のちの所有者らが全米でこの絵を巡回展示し、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでも公開したためです。1949年にはCat Magazine誌が「世界最高の猫の絵に違いない」と評価しています。

この絵画は北カリフォルニアに戻り、オークションを経てコレクターの夫妻に購入されました。2016年にはオレゴン州のポートランド美術館でも一般公開されています。

猫好きやアート愛好家たちは、このすばらしい絵画が再度公開されることを願っていますが、残念ながら、今のところその予定はないようです。

出典:The Eccentric Story Behind History’s Most Fabulous Cat Painting

関連記事

猫が犬といっしょに育った結果……犬のような行動をとり始める『まさかの光景』が65万再生「周りの環境ってすごいよね」「初めて見た」
爪切りをするために猫を抱き上げたら…あまりにも可愛すぎる『抵抗の様子』に「しがみつきがたまらない」「笑ってしまった」と3万再生の反響
猫が幸せを感じた時にみせる10の仕草
おじいちゃんと野良のシニア猫が出会った結果…最期まで寄り添った『温かな日々』に涙する人が続出「号泣してしまった」「ひたすらに愛が伝わる」
ぱやぱや毛の小さな子猫が保護されて…5年が経った結果→『驚愕のビフォーアフター』が34万再生「すんごい高級感」「衝撃の可愛さだった」

  1. 逮捕のタイガー・ウッズ選手「大統領と話していたんだよ」電話を切り…事故直後の映像が公開 “薬物影響下で運転”か ポケットから薬も
  2. 黒木メイサ、ブラトップ&ハーフパンツ姿のショット公開!「カッコイイ」「めっちゃ綺麗」
  3. ホルムズ海峡 イランが通航料1バレル=1ドル徴収か その方法は? 5段階格付け 友好国有利か… 約200万バレルの超大型タンカーだと約3億円かかる計算に
  4. 乗用車と自転車が衝突 小学生とみられる男の子が心肺停止に 出合い頭に衝突か 福島・猪苗代町
  5. 【Number_i・平野紫耀】「YSL LOVENUDE HOTELにチェックインしてきました!黒スーツ姿で”秘密のホテル”に潜入
  6. 約1億900万円の“生活保護費”が入金されず 「担当者のミス」と謝罪 茨城県
  7. 東京・上野で風俗店経営者から「みかじめ料」脅し取ろうとした疑いで逮捕の指定暴力団山口組系幹部の男性2人を不起訴 東京地検
  8. 「銀色の容器」がデリバリー大国・韓国の花見を変える? “2億円投入”ソウル市の「脱プラ」大作戦で1350トン以上のごみ削減
  9. キャラが悩みを聞く「アニメ療法」 “お互い理解しあう”新たなカウンセリング 若者の“孤独な心”に寄り添う一歩に?【news23】
  10. 東京・練馬区のマンション強盗傷害事件 40代女性けが 男2人組は被害者家族の後つけ「共連れ」でオートロック侵入か 警視庁
  11. 【速報】伊勢湾岸道で乗用車2台が衝突 11人が病院に搬送 全員意識あり 愛知・飛島村
  12. 京都小6男児行方不明 水中ドローンも使いかばん発見近くの池捜索 今後の捜査のカギは